第五十一話 リリとリーチェ
「リリ・ハイドとハイド・リリですか」
「気になりませんか?」
「さあどうでしょう」
「それにしても、あなたはあなたで嘘をついているんですね」
「どういうことですか」
「気を悪くされたら嫌なので、言わないでおきます」
「着きましたよ、ここがリリ・ハイドの部屋です」
「ありがとうございます」
中には手錠をかけられた見た限りでは幼そうな銀髪の少女がいます。
「少し話してもいいかなリリちゃん」
「えっと、君はたしか……リーチェ君だったね、どうも最近は物忘れが激しくてね、名前を思い出すのも一苦労さ」
「それじゃあ、あなたの仲間さんはどうしたのかな、特に六年前の」
「僕にもあまり語りたくないことはあるんだよ、君だって裏の顔を隠してるだろう」
「ふーん、じゃあ今回の虫について知ってることはあるかな」
「僕はあまり憶測で物は語りたくなくてね、少しばかし予想はできるんだけど」
「最後にあなたは何ものなのかな」
「君はかなり核心に近づいてるはずだよ、自分で予想をつけてみなよ」
「そっか、ありがとう」
「僕からも一つ質問いいかい」
「問題ないかな」
「なんのために、国中を探してさらにそんな仕事をしてまでお金を稼ごうとしてるんだい」
「自分の本来あるべき場所に向かうためかな」
「短いながらに楽しい時間だったよ、リーチェくん」
「それじゃあね、リリちゃん」
私は刑務所を出ると、街の方が少し騒がしい、けが人が多く運ばれている。最近の虫の問題のせいだろう。
早いところ手を打った方がよさそうだな。
可能性は潰していった方がよさそうだ。
それでは仕事を始めるとしよう。




