第四十九話 素性
一週間ぶりの街ですか。例の時計塔がやはり目に入る街です。
「それじゃあ、みんなやることがあるんだっけ」
「私は特にないけど、のんびりしようと思っているぜ」
「私は少し、教会の方に向かうことにさせてもらいましょうか」
「私も少し自由行動させてもらおうかな」
「それじゃあ、みんな一回単独行動ということで」
私は特に目的とか無いのですけどね。さてとどうしたものでしょうか。あっそうだ
「ポーラさん、一緒に街を歩きませんか、私も予定が無くって」
「全然問題ないぜ」
ということで、のんびりと街を二人で歩いていると声をかけられます。
「お嬢様ですよね、ポーラお嬢様」
「ポーラさん、何か面倒なことになってませんか」
「ああ、そうだな」
とりあえず、落ち着いて話せるところに向かいます。
「それで、どういう話なんですか」
「いや、まあ話すと面倒なんだが、私がここから一番近いエルフの国の一番偉いやつの娘ってことだ」
それはかなりの立ち位置にいますね。そんな偉い人だったとは、たしかに頭が良かったり能力もすごかったりしましたがここまでとは思いませんでした。
「それで、お嬢様早く帰ってきて下さい」
目の前にいるのは、執事って感じのおじいさんです。ポーラさん相手にするのは大変そうですね。
「私はまだ帰りたくないぜ、もう少し自由にさせて欲しいんだぜ」
「そうは言いますが、お父様も心配なさっていますよ」
「別に姉貴がいるだろ、仕事とかはそっちにさせろよ、窮屈な感じなのは嫌なんだぜ」
これはとんでもなく面倒なことになっていますね。私が想像していたよりひどいです。
「まあ、お互い一回落ち着きましょう」
「とにかく、私は家に帰るつもりはないぜ」
「お嬢様……」
「レイナ、さっさと行くぜ」
私はポーラさんに引っ張られるままにその場を離れます。
「ポーラさん、あれは大丈夫なのですか?」
「大丈夫だぜ、まあ、もうしばらくしたら帰るつもりだから、問題ないぜ」
「あまり家族は心配させない方いいですよ」
これはまた大変なことになりそうですよ。




