第四十六話 物対ムカデ
まさか二体も同時に出てくるとはな、躊躇せずに殺すべきだったか。
虫を操る人間がいる話は聞いていたのに……今更後悔しても遅いことだ、まずはこいつを分析するか
ムカデと人の合成か、上半身が人間で下半身がムカデ、インド神話にあった頭が七つではない方のナーガのイメージにあてはまる。
周りには、多くの巨大なムカデがいる、前の洞窟の戦いで分かったが、こいつらの歯と血液には、神経毒つまり体が痺れる毒が含まれている注意して戦わないと危険だな。
爆弾で全て殺すのはいいが火炎瓶は火事になるか、火事になると面倒だから、レイナにも気を付けてもらいたいところだが……
「ポーラちゃん、雑魚は任せていいかな」
「分かったぜ、リーチェが大本を叩くんだな」
先の戦いでドラゴンと契約できていれば、どれだけ楽だったことやら
私が近づくとムカデは後退する、足が多い分、こちらを見ながらの後退でも安定している。私が一瞬でも目を逸らしたりこちらから距離を離そうとすると、かなりの速度で近づいて来る、逃げるのは難しそうだ。
それにしても、ムカデは下がらないと聞いたことがあるが、人間の頭がつけば後退するものなのか
ムカデが歩いた後には何かしらの液体がある、十中八九毒だろう。
「ポーラちゃん、地面に警戒」
ポーラは虫を近づけもせず八つ裂きにする。仲間としては心強いな。
無からボウガンを取り出し撃つが、その程度ならとはじかれる、続けて矢を装填してある別のボウガンを取り出す。
続いて撃った矢はムカデの腰のあたりにある足で弾こうとすると矢は爆発する。
この瞬間ムカデの足が止まる、続けて別のボウガンを取り出し、打ち込む、矢には糸が取り付けてあり刺さると、その場で固定されるはずだ、刺しこんだ方とは逆の矢を木に打ち付けるが、ムカデが引っ張ると木そのものが根元から抜ける。
糸は特殊なものだからすぐには切断されないはずだが、ここまでの力が加わるとなるといつ切れてもおかしくないな。私は連続して矢を打ち続けるが、角度の関係か甲羅に当たって弾かれるものも多い。
「ポーラちゃん、一気に前に出て」
ポーラが風に押され、一瞬のうちに距離を詰める、そのまま風の刃がムカデを貫く、ムカデの腹から多くの血が出る、それなのに死んでいない、いや、極端にダメージが少ない、表面から見える傷はほとんどない。
まき散らされた血を見る、ポーラの顔色が悪そうだ、飛散した血液が肌に触れたのだろうか。
どちらにせよ、苦しい状況に変わりはない。
あのムカデについて分かったことは、血と歩いた跡には毒がある。背中の甲羅はかなりの硬度を持っていること、そして体は脅威の再生能力を持っていること。
どうやって戦う?体の中から爆発させたり、燃やしたりするのが正解か?
いや、燃やせないか、あれだけの再生能力があるのだから、血で消火するか、純粋に火がついた程度では死なないといっただろう。
どうやって勝ちに行くのが正解なんだ?
私は無の中を探りながら考える。




