第四十二話 雨の日の陰鬱さ
しかしまあ、昨日のことには驚かされました。なにせ何も起きなかったのですから、最近やたらと面倒ごとに巻き込まれたり、命がけの戦いになったりしたのですから。
まあ、冷静になって考えたらこれが平常運転ですか。
今日も一日頑張りましょう
と窓を開けますと、大雨でした。ゲリラ豪雨というのですかね。いや、最近暑くなかったので、ゲリラ豪雨とは違いますか、そもそもどういうものをゲリラ豪雨というのでしたっけ、
「レイナちゃん、今日は旅に出られそうにないかな」
「そうだね、まあ死ぬようなことに巻き込まれてばっかりだったし、少しは休息をとっても良いんじゃないの」
「何をして遊ぼうかな」
「何をするのですか?リーチェさん」
「アイリスさん寝てるかと思ってましたよ」
「多分、ポーラさんも起きてますよ、本を読んでいるのではないですか」
ポーラさんのベッドの布団が膨らんでいます。すぐに布団がめくれて、ポーラさんが出てきます。
「なんで分かってるのかぜ」
「ちゃんと見てるからですね」
アイリスさん、そんなことに気が付いているのですか。
「なんの本を読んでいたのですか?」
「昔の英雄の話だぜ、昔からこれが好きでずっと読んでるんだぜ」
たしかに、擦り切れた本という感じはあります。それでも大切に扱われてきたのか、表面に大きな傷はありません。
「誰かの贈り物ですか?」
「ああ、何年も前に親父からな」
「大切なものなんですね」
「そうだな」
ポーラさんはなぜか上を見つめています。何もないんですけど、何か思い出してるということでしょうか。
ポーラさんと話をしていると、すでにリーチェが何かを取り出しています。
「それは何?」
「オセロかな」
「オセロですか、最近はあまりやっていませんね」
「私は昔結構やってたぜ」
ええ……この世界、普通にオセロとか浸透してるんですか、今までの転生者は何を考えてこんなものを流行らせたのでしょうか。今までの転生者の話を聞いてもわけわからないことをしてる人も多くいますしね、転生して芸人を目指した人もいたらしくて……
「それじゃあ、二つあるから、やってみようかな」
「それじゃあ、前のくじ引きだして」
ということで、私とリーチェ、ポーラさんとアイリスさんで勝負することになりました。




