第四十一話 旅路
移動を始めて数分で子供が目を覚ましました。
とりあえず、死んでいないことが確認できて何よりです。
子どもは泣いてはいません、ここまでの事が起きると逆に泣けないのですかね。おそらく理解ができていません。
恐怖と痛みからおびえてはいるようですが。
アイリスさんが様子を見ているようですね。しっかり話しているようで、周りがどうなったとは言わず、怪我をしている少女を慰めています。
少女は黒い髪で背が小さいです。いや、五歳児の平均身長なんて知りませんが、小さいと感じます。
まあ、落ち着いているので町に着くまでは何とかなりますか。
町の様子は変わっている様子はないです。村が襲われた話しはまだ伝わってないということでしょうか?
「すみません、怪我人がいるので通してください」
一般人を避けて病院へと向かいます。
「すみません、この人たちの容体を見て欲しいのですが」
「何があったのですか」
「近くの村が虫に襲われて、それで……」
「まあ、この程度なら、命に別状はないけど、どうなるかはまだわかりませんね」
「お金の方はどうなるのでしょうか」
「まあ、災害みたいなものだし、ある程度は安くなって……あなたたちはこの人の関係者なの?」
「いや、ただあんな状況でお金があるとは思えませんし、それくら払ってあげようかと」
「随分優しいのですね」
その後、医療費を払っておきました。
「あの、アイリスさん何を渡しているんですか」
「ペンダントです。おまじない程度のものですが、こんなもので喜んでくれるなら、と」
「そうですか」
アイリスさんは、子どもとか好きなんですね。かわいいものも好きだと言っていましたし
病院を出ようとすると、さっきのお医者さんから、忠告を受けました。
「最近、こういった虫の被害が増えているから気を付けた方がいいですよ、野宿とかしていると特に」
「はい、気を付けておきます」
「この後どうするつもりかなレイナちゃん」
「少し前のことで、予定より遅れているし、普通に街へ戻る道を進むだけでいいんじゃないの」
全員賛成してくれました。虫の被害というのが気になりますが、私達でどうにかする問題ではないでしょう。




