第四十話 生存者
「リーチェさん、この子も怪我してるみたいで」
アイリスさんが運んでいるのは、子どものようですね、見た限り五歳とかそのあたりでしょうか。
腕に怪我をしているようですね、血も結構流れています。
「とりあえず、消毒と止血今持ってるものじゃそれ以外にできるものは無いかな」
結構手際よく終わらせていきます。
「随分慣れてるね、前に何かあったの?」
「まあ、前にちょっとあったかな」
まあ、これ以上聞かない方が良い話ですかね。
「ポーラさんは?」
「他の生存者がいないか探しています」
この状況で生存者はいったい何人いるのでしょうか。
それにカマキリですか、四日か三日前の洞窟にも出てきましたね。
毎度面倒な所に出てきます。
数分後ポーラさんが帰ってきますが、浮かない顔といったところですかね、まあ、こんな惨状を見たら大抵そうなるでしょう。自分でも意外なのはこの状況で落ち着いていられることですかね。転生してから落ち着いていられることが増えた気がします。それとも自分が死んだらどうなるかという恐怖が極端に減ったからでしょうか、この世界で私が一番深い関わりがあるのは、リーチェかドラゴンさんですし
「生存者は二人だけ?」
「探せる範囲で探したがそれだけだったぜ、ただ気になるのは、家の数に対して遺体が異様に少ないことだぜ、どこかへ逃げてるんじゃないか」
遺体が少ないですか、気になる要素ではありますね。でも気になるのは、逃げると言ってもどこへ逃げるというのでしょうか。あるとしたら近くの町ですかね。
「とりあえず、この荷車に二人を乗せて隣町まで行くのが良いんじゃないかな」
「それじゃあ、私とリーチェで押していこうか」
とにかく、命に関わることなので、急いだ方がいいですね。
隣町までは歩いて二十分といったところ、ドラゴンさんがいれば一瞬なんですがね。
二人で荷車を押しながら町へと向かいます。




