第二十話 クラピカ理論は使いたくなるよね
昨日の内に例の化け物は倒せましたが、一つ心配なことがあります。それは、ドラゴンさんがしばらく寝てしまう関係上、力がほとんど使えない事ですね、昨日だけであれだけ無茶させたんだから仕方がありませんが。
「そんなに心配しなくても良いんじゃないかな、ドラゴンも死んでないんだから」
「うーん」
これが付き合いの長い相棒なら、力ではなく騒がしいのがいなくなって寂しいというところですが、残念ながら二週間の絆しかないですからそんな王道展開にはなりません。
「リーチェさん、かばんを出してもらってもいいでしょうか」
「全然問題ないかな」
そう言って、リーチェはかばんを無から取り出す。アイリスさんはそこからクロスボウを取り出します。
「意外かもしれませんが、私はこういうものが得意なんですよ」
よく考えたら、村から街までの移動で何かに襲われないとは限りませんし、そういった技能があってもおかしくありませんか。
「まだこの辺りは整備されてる方かな」
たしかに視界が悪い森ではありますが、一応草が抜いてあったり歩きやすい方ではあります。ただ影が多いので、どうも心配になる道でもあります。
「分かれ道だぜ、どうする」
確かに道が二つに分かれています。こういう時は……
「右にしようかな」
「じゃあ、私も右で」
クラピカ理論を見てからは意味もなく右を選びたくなります。
「また分かれ道かな」
確かに分かれ道です。何度も分かれ道があるなんて不思議な場所ですね。
「また右でいいかな」
全員反対する理由もありませんし、賛成します。
また少し歩くと分かれ道そんなのが続きます。
「さすがにこの道おかしくない?」
「私も同じことを思ってたかな」
分かれ道で右を選んでも左を選んでも、同じような分かれ道にたどり着きます。昔のファミコンゲームでしょうか。
「この森そのものに魔法がかかっているということでしょうか」
「一回戻ってみるしかないかな」
私もそう思い、元来た道を戻ろうとしますが、戻ってみるとそこには、不自然に木が無い空間があり、その奥にはひと際大きな木がありました。木には窓のようなものが付いていて誰かが住んでいるように見えます。
その扉のようなものに近づいてみると、扉が開いて中から人……には見えませんね。大きいフクロウのようなものに見えます。
「すみません、驚かせちゃいましたね」
そう言って目の前のせれは、フクロウの顔の部分を取ります。どうやら着ぐるみだったようで、なんかキン〇ダムの河了貂を思い出しますね。いや、そんなことより聞かないといけないことがありましたね。
「ここはどこですか、どうやら迷ってしまったようで」
「魔女の森とも呼ばれるし、迷いの森とも呼ばれて、えーっと、他には迷路の森なんてものもあったような、まあ、明確な名称は無いってことですかね」
「そうですか」
「まあ立ち話もなんですから、上がってお茶でも飲んでいってください、ここに住んでいては、話し相手もなかなかいないものでして外の様子を聞いておきたいですので」
「聞くしかないんじゃないかな」
「私もそう思うぜ、なんか怪しいけど」
私も同じ意見なんですよね、こんな森に住んでるとか怪しすぎますよ。




