第十一話 ようやく旅が始まりそうです
気が付くと私はベッドで寝ていました。
いや、昨日食事の後で適当な宿屋で出会ったんでしたね。
「ドラゴンさん怪しい人が部屋に入って来たりとかないよね」
「今のところはないが、少し遅くまで右隣の部屋の音が続いていた、それくらいだ」
右隣と言えば、リーチェが泊まっていた部屋何かあったのでしょうか。後で尋ねてみてもいいかもしれませんね。
「変わったことは無かったってことでいい?」
「ああそうだ」
一応、夜や寝ている時はドラゴンさんに回りを監視させています。泥棒とか、暗殺とか怖いですからね。お陰様で昨日は変なタイミングで寝やがって死にかけましたが、結局あの日は足の痺れより、リーチェの車の方がつらかったんですよね。
時計を見ると、おおよそ六時くらいです。
もうすぐ旅立ちですね。
とりあえず部屋を出て、宿屋の入り口の辺りを見ます。
ポーラさんとアイリスさんはもう起きているみたいですね。何かを話しています。
まあ、別にどうでも良いですか。
「リーチェもう起きなよ」
扉をノックしながら声をかける。
「ごめんごめん、昨日はうまく寝付けなかったからかな、全然目が覚めなくて」
「早くしなよ、二人とも、もう待ってるから」
「すぐ準備終わらせるから」
本当にすぐ準備を終わらせてきました。茶色い髪はまだ少し寝ぐせのようなものが付いていますけど、こんなに早いということは、昨日何か音がしていたというのは、昨日の内に荷物をまとめていた、ということでしょうか、昨日もここに泊まっていたそうですし、おそらくはそうでしょう。
「それで、昨日リーチェが行きたい場所があるって言ってたけど、どこに行くつもり?」
「南の街に運び屋の用事があって」
「私を足として使うつもり?」
「悪い言い方をしたら、そうなるかな」
そこ、言い切っちゃうんですね。
「そもそも、その港町って、ここからどれくらいで着くの」
「ここから歩けば、山とかもあるし一週間かからないくらいじゃないかな」
「ドラゴンなら一日だけど、私が酔わなければという前提条件での話ね」
「酔い止め薬を友人をもらってきたから飲んでくれないかな」
そう言って私に薬を渡してきます。それが白色とかならともかく、ピンクなのがどうも飲みたくなくなる要因です。
なんか最近こういうことが多い気がします。
まあ、飲みはしますけど。
「それと、言い忘れてたけど、最初の五分くらい腹痛がするから気を付けた方がいいんじゃないかな」
「リーチェ、ふざけるなよ」
ということで、十分ほど苦しみました。
本当にリーチェは他人に関心がないという感じです。
「大丈夫だったかな」
「うるさい!」
とにかく、入り口の方にいる二人と合流して、港町に向かうことになりました。
ドラゴンの上に四人で乗って、大空へと飛び立ちます。
ようやく旅の始まりです。
今後登場するキャラとの兼ね合いで、アイリスの髪は金髪から銀髪に変更されました




