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星揺星  作者: 逢河 奏
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7.渡し守のエピローグ

 あれから一週間。あいつらのいない日々が過ぎた。町の七夕の装いはあっという間に片され、まるで織姫と彦星の用は済んだだろ、とばかりに追い出してしまったかのようで何だか……寂しい――。

「訳ねえだろ。つかあいつ本当にケータイ初めてなのか?」

 といぶかしむくらい滅茶苦茶メールが来る。『また明日』の宣言通りに。しかも必ず日の終わりには「また明日ね~」という文がご丁寧にも入っている。抜けているようで几帳面なやつだからきっとずっとこんな調子で行くのだろう。

 彼女に出会うその時まで。

 その彼女はと言うと、犬飼の影響もあるのか(だって俺にこんだけ来るってことは……なあ?)、大鷹からも随分マメに連絡が来る。こちらはまるで先生に提出するレポートみたいにカチカチしたものだ。段々和らいでいるが、あまり慣れていない様子。

 お前ら逆じゃないか? と思うがらしいっちゃらしいので、それでいいと思う。

たまに電話もかかってくる。犬飼から唐突に寂しいよぉ~、と泣きつく電話がかかってくれば、暇で死にそうなわたくしを救いなさい、という何故か超女王様な電話がかかって来たりするのだ。俺のケータイも随分バラエティ豊かなものになってるな、と赤と青の星のストラップを眺めながら思った。

 ストラップと言うと、後から気付いたが、このペアストラップは手作りらしく、赤と青では並べても歪な星にしかならなかった。こいつらの相方は世界でただ一つなのだ、あいつらのように。

 なら尚更俺が持つものじゃねえだろ、と思ったが後々良く考えてみると――。

 たまに大鷹と犬飼のメールは別々に来ているのに話が繋がっていることがある。多分お互いのメールに触発されての俺宛メールだったからだろう。遠く離れていても俺は渡し守らしく、そんなメールに「犬飼はこう言ってるしこうじゃね」とか「大鷹はああ言ってたし大丈夫だろ」という感じに仲を取り持ったりしていた。

 ――だからそういうことなのかなと勝手に納得したりしている。

 俺のストラップの二つの星が本来の形になるには大鷹と俺と犬飼の三人が揃わなくてはいけない。そして俺と犬飼だけでも俺の赤いストラップが大鷹と繋がっていて、俺と大鷹が揃った時は青いストラップが犬飼と繋がっている。

 二人を繋げる渡し守。

 これからもそう在って欲しい。そう願われたから、俺はこの二つのストラップを三人が離れても会話出来る機械にぶら下げて、あいつらのいない町から電波を発しているんじゃないかと。

「まあ何だっていいけどな」

 とぼやきながらもちょっと嬉しく思ってしまうのは仕方ないだろう?

 という訳で渡し守業はまだまだ細々と続けていかなくてはならないらしい。需要があるなら、それも悪くない。

 今日も文字と声で俺の日常を遠くから賑わせてくれる二人を思いながら。

 その再会と、帰りを待ちながら。

 俺は新聞を拾うのだ。

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