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夢の中の蟲毒な学園  作者: キャシヨ
第4章 激闘

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第27話 VS 冷血の使役者 四天王 西園寺 妖

 私はわざとらしく手を広げる。

「あー、思い出した。スナッパーってのは、あの不細工なワニガメの事か?すまん、正当防衛って奴だ。私が斬った!」


「お前!!――許さねえ!」

 西園寺がドスの効いた声で吠えると、いきなり大蛇が頭から突っ込んでくる。

 ギリギリ横っ飛びで避けたが、理瑚は盾で防いだものの、横の草むらにふっ飛ばされてしまった。

 大蛇が激突したせいで、小屋のドア側の壁が崩れてしまっている。凄い破壊力だ。そこに、すかさず片目のヤモリが入り込むと、近くにいる猫に次々と襲いかかった。

「あぁ、クリコ!サビ助!――ネコちゃん達!いじめっ子をやっけて!」

 望月 瑠奈が声を上げると、残りの猫達がヤモリに一斉に飛びかかる。 

 大勢の猫達に引っかかれたヤモリが、堪らず小屋を飛び出したところを、狙い澄まして剣を振る。

「ギャギャッ!」絞り出したような声を上げ、ヤモリは消え去った。


「あああー!レオポンまで!……この雑魚がぁ!」

 怒り狂ったように、大蛇が右に左に大暴れする。小屋はもう、半壊状態だ。


「クソッ、これじゃあ――」

 攻撃を仕掛けようにも、巨大な身体は動きも速く、押し潰されないよう、避けるのが精一杯だ。特に尻尾がどこから飛んでくるかわからない。見誤れば、一発でアウトだ。

 しかし、西園寺の奴は、あんなに素早い大蛇の頭に乗って、よく落ちないな。地面に降りてくれれば、まだ攻撃も出来るのに。


 私が攻めあぐねている中、猫達は素早く尻尾の攻撃を掻い潜り、勇猛果敢に飛びかかる。だが、硬い鱗には歯が立たず、次々と大蛇の餌食となっていった。

「あぁ、ネコちゃん……」

 望月 瑠奈は小屋から出てきたものの、何もできずにベソをかいて立ち尽くしている。


「人よ!操っている西園寺さんの方を倒すのよ!」

 倒れた柱の陰から白猫を抱いた委員長が叫ぶ。

 確かに、西園寺さえ倒せばどうにかなるかもしれない。しかし、大蛇の頭に跨っている西園寺に、剣を届かせるのは至難だ。

 その時、委員長の腕から白猫が飛び出した。 大蛇の尻尾を掻い潜り背中に飛び乗ると、頭を目指して走り出す。

「シロコ!」望月 瑠奈が叫ぶ。

 西園寺が気付いた時には、もう遅い。シロコと呼ばれる白猫の鋭い爪が、西園寺の顔面を引っ掻く。

「アァ!?痛ェッー!」

 西園寺は、堪らず大蛇から転げ落ち、地面に這いつくばる。

「ナイスだ、シロコ!」

 私は一気に距離を詰めるが、西園寺が叫ぶ。

「ボルソン守れー!!」

 大蛇がグルグルと西園寺を囲むようにトグロを巻き、鎌首を上げるが、構わずそのまま突っ込む。


 動きの止まっている今がチャンスだ!

 私は走ってきた勢いで大きく跳躍する。


「私の剣にィー斬れないものは無いッ!」


 頭上から真っすぐに右手を振り下ろし、トグロの上から下まで一気に斬り裂いた。


「シャアァァー!」

 大蛇は切断されバラバラになった――が、何故か頭の部分だけは消えずに、こちらに向かって来る。


「エッ!?」

「舞!危ない!」

 咄嗟に、戻ってきた理瑚が間に入り、盾で蛇の頭の軌道を逸らす。

「ありがとう理瑚!」

「へへっ、少しくらい役に立たないとね」

 目の前には、守るものがいない、無防備な西園寺 妖が膝をついている。


「ネコちゃん達!やられたネコちゃんの仇を取って!」

 望月 瑠奈がそう言うと、シロコを始めとした、10匹程の残った猫が一斉に西園寺に飛びかかった。

「どうだ!僕のネコちゃん達の力は!ネコちゃんは強くて……」


 その時――

「グサッ!」

 空から降ってきた槍が望月 瑠奈を貫く。

「……カワイイん……だ……」そう言いながら望月 瑠奈は光の粒になって消えてしまった。すると、西園寺を襲っていた猫達も次々と消えていった。


 傷だらけになりながらも、西園寺がゆっくりと立ち上がる。

「あー、痛かった……遅いじゃねーか」

「妖さんが蛇に乗って行っちまうからだよ。こっちは空の上でも歩く速度は変わらないんだ」


 上空から西園寺に話しかける派手な着物を着た女は、東翔宮 凛(とうしょうぐう りん)!空を歩き、槍を投げる能力者。コイツが来てしまうとは!


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