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紫音の少女  作者: 柊 潤一
宿命
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カガリの妻の治療2

 そこへ果物が運ばれてきた。


「あ、そうだ。牛乳も持ってきてもらえますか」


 そう言ってから、紫音は数多くの果物の中からそれぞれ違う栄養を持ついくつかの果物を選び、器に入れて意識のベールで包み、それらを圧縮した。


 クシャッと果物は縮み果汁が出来上がった


 紫音は、運ばれてきた牛乳をそれに注ぎ、カガリの妻に渡した。


「さぁ、これを飲んで下さい」


 ガゼルの妻は器を受け取ると一口飲んだ。


「おいしい・・・」


 そして器の果汁をゴクゴクと一気に飲んでしまった。


「こんなに美味しいものを飲んだのは初めてです。ありがとう」


 ガゼルの妻は紫音に微笑んだ。


「マリーや。このお方がお前の病気を治して下さったんだよ。お礼を申し上げなさい」


「あぁ、私の中に入ってきた温かい物はあなただったんですね。有り難う御座います。私の病気はもう治ったのですか?」


「はい。そこにある物が貴方の身体に出来ていた悪い瘤です」


「これが・・・」


 ガゼルの妻は傍らにある肉片をじっと見つめてから、顔をあげ


「紫音様、ありがとうございます。何と言って良いか、お礼の言葉も御座いません」


 と言った。


「いいえ、これは私のするべき事ですから」


「紫音様、わしからもお礼を申しあげます。有り難う御座います」


 カガリ国王が深々と頭を下げた。


「悪い瘤は取り除きましたが、そのあと臓器が元の大きさまで戻るのには時間がかかります。奥様には無理をさせないで下さい。三ヵ月ほどあとにまた様子を見に伺います」


「分かりました」


「お昼をご用意させて頂いておりますが、食べていって頂けませぬか」


「お心遣いありがとうございます。でも、まだもう一人見に行かなければなりません。そちらが気になりますので、申し訳ありませんがすぐに行こうと思います」


「そうですか・・・残念です。又、ご招待させて頂いて宜しいでしょうか?」


「ええ、喜んで」


「それじゃいきましょう」


 紫音は、シュリ婆とゼルダ王子を促して部屋を出た。


 見送る為に、町の出口まで一緒に来たカガリ国王とガゼルに挨拶を済ませ、紫音たち三人はファルアーク国を目指して町を出た。

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