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紫音の少女  作者: 柊 潤一
宿命
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城へ移る

 紫音は国王の申し出に最初は迷っていた。


 城内で治療をすれば、やってくる人達が来にくくなるのではないかと思ったからであった。


 しかしいつまでもエリカの家にいるわけにもいかず、国王の立場も考えると申し出を受けることにした方が良いと思ったのだった。


 紫音は治療をした人達に何も要求しなかった。


 治療を受けた人達が気を使って何がしかの物を置いていく事もあったが、裕福そうな人以外からは受け取らなかった。


 治療を受けた人達は紫音がお金を受け取らない為、自分たちが作った作物や余分に買った食物などを後日お礼として持って来たが、紫音はお金も含めて全てエリカに渡していた。


 エリカは、食べ物に困らなくて助かるわ、と言っていたが治療に必要な二間の部屋を、いつまでも使うわけにはいかなかった。


 それを思うと、国王の配慮は紫音にとって嬉しいものだった。


 紫音の返事を聞いてからの国王の行動は早かった。

 その日のうちに家具調度品の準備を済ませ、次の日の昼には紫音がいつ来てもいいように全て揃っていた。


 紫音は国王の元を訪れてから二日後に、別れを惜しむエリカとエリカの夫に礼を言ってシュリ婆と共に城に移って行った。

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