表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫音の少女  作者: 柊 潤一
宿命
29/75

再び城へ

申し訳ありません。

このページを飛ばしていました。

 エリカの家では、帰って来たエリカの夫とゼルダ王子を交えて昼食が始まっていた。


 最初は王子の同席に固くなっていたエリカの夫も、王子の気さくな人柄に気を許し、王子も皆に打ち解けて楽しく昼食が終わった。


 そして食後のお茶を飲み終え、エリカの夫が仕事場に戻って行き、やがて患者がポツポツとやって来だすと紫音とシュリ婆はその応対に追われだした。


 ゼルダ王子は所在なさげに一人つくねんとしていたがあまりの忙しさを見かね、シュリ婆の手伝いを始めた。


 やがて全ての患者を見終え、エリカが入れたお茶を飲み、ほっと一息つきながらシュリ婆が言った。


「王子様、お疲れ様じゃった。手伝わせてすまんかったのぉ」


「あ、いやいや、初めての事で戸惑いましたが、大変ですな」


「なんの、一番大変なのはこの娘じゃよ。今は元気じゃが、いつか倒れやせんかと心配しとるんじゃがのぉ」


「あら、私は大丈夫だっていつも言ってるじゃない?」


 と紫音はにこやかに言ってお茶を飲みほした。


「さぁ、お姫様の様子を見なくちゃ。そろそろ行きましょうか?」


 そう言いながら立ち上がる紫音を、ゼルダ王子は心配そうに見ていたが、シュリ婆と共に立ち上がり三人は城へと向かった。


 城に着き、レイカ姫の部屋へ行くとレイカ姫は目覚めていて、ハシバ国王と話していた。


「おぉ、紫音様、わざわざ恐れ入ります」


 そう言って立ち上がるハシバ国王に紫音は会釈を返し


「お姫様、具合はいかがですか?」


 とレイカ姫のそばへ寄っていった


「えぇ、おかげ様ですっかり気分も良くなって」


「そうですか。それは良うございました。念の為もう一度見ておきますね」


 紫音はレイカ姫に背中を向けてもらい、失礼しますと言って上着をめくり上げ、背中に手を当てて悪かったところを調べ、一緒に身体全体も調べていった。


「もう大丈夫ですね。他に悪いところも見当たりませんし」


 紫音がそう言うとレイカ姫は嬉しそうに。


「ありがとうございます」


 と言い、続けてハシバ国王が


「本当になんとお礼を申し上げて良いやら……言葉では言えませぬ。何かお礼を差し上げたいと思うのですが、お望みのものがあれば何なりとおっしゃって頂きたい」


「お礼なんて結構ですわ。ただ……今、お婆さんのお孫さんの家にご厄介になっておりまして、どこかに手頃な家があればと思っております」


「おぉ、その事なら私も考えておりました。幸い城の敷地の中に空いている建物があるのですが、良ければお使い頂けますかな?」


 ハシバ国王の申し出に紫音は暫く考えていたが


「わかりました。喜んで使わせて頂きます」


「使ってくださるか。ありがたい。そこで生活してい頂けるように家具などもすべて用意させて頂きますが、宜しいですかな?」


「はい、お願い致します」


「わしの分も用意して頂けますかな?」


 それまで黙って聞いていたシュリ婆が口を開いた


「勿論かまわぬが、お孫さんのそばにいてあげなくてよいのですかな?」


「あの子も所帯を持っとるでな、わしがおると気詰まりな事もあろうて」


「ふむ……ではそなたの分も用意させておこう。それから、お二人の暮らし向きの事も任せて頂きたい。なに、わしの家臣になって頂こうとは思っておらぬ。レイカの命の恩人故、それくらいはさせてもらわねば、わしが困るのじゃ」


「お気遣いありがとうございます。国王様にお任せいたします。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ