姫の治療2
その時、部屋の外で待っていた執事が国王に話しかけた。
「国王様、侍従医のハウラ様がレイカ姫の治療をされ
るなら、後学の為に同席させて頂きたいと申しておりますが」
ハシバ国王は紫音を振り返った。
「どうされますかな?」
「見て頂くだけなら構いませんが」
ハシバ国王は、執事にハウラをレイカ姫の部屋へ呼ぶ様に言って歩きだした。
階段を上り、長い廊下を通ってレイカ姫の部屋へ来たハシバ国王は、ドアをノックして声をかけた。
「わしじゃ。父じゃ。入って良いか?」
中からどうぞという声が聞こえ、ハシバ国王はドアを開け中へ入り、紫音達を招き入れた。
そして、ベッドに半身を起こしているレイカ姫に近より、紫音とシュリ婆を引き合わせた。
「この方は紫音様でこちらがシュリ婆殿じゃ。レイカ
よ、喜べ。お前の病気を治して下さるのじゃ」
「まぁ、お父様。まことでございますか?」
レイカ姫は美しく、しかし血の気のない顔に喜びを浮かべて言った。
「うむ、紫音様はの、ザイールの住人を数多く治療し
ておられる」
「その中でも目の見えぬ子が見えるようになったり、
余命幾ばくもないご婦人を治しておられるのじゃ」
「じゃあ私も、きっと治して頂けますね」
「うむ、もう安心じゃ」
その時誰かがドアをノックした。
「ハウラですが」
「おぉ、入ってよいぞ」
国王が答えると、ドアを開けてハウラが入ってきた
「失礼致します」
「こちらが紫音様じゃ」
国王はハウラに紫音を紹介し、続けてシュリ婆を紹介してからハウラに言った。
「紫音様は、見るだけならかまわぬとおっしゃってお
られる。粗相のないようにな」
「承知いたしました」
ハウラは慇懃に礼をしたが、紫音を盗み見る目は暗く光っていた。
紫音は側にあった衝立で皆から見えぬようにレイカ姫の身体を隠した。
「それでは始めます。姫様、上着を脱いで頂けますか?」
上着を脱いだレイカ姫の身体には内出血がいくつかあった。
「うつ伏せに寝て頂けますか」




