姫の治療
その時扉が開き、髭を蓄えた威厳のある初老の男とゼルダ王子が入ってきた。
紫音とシュリ婆は立ち上がった。
「お待たせいたしました。国王のハシバと申します」
「紫音と申します。」
「わしゃシュリと申しますじゃ」
「貴女が噂のシュリ婆殿か。その際は歳に似合わぬ武勇を発揮したそうじゃな。」
「なんとな。国王様までご存知じゃったか」
「おお、そなたの活躍はわしの耳にも聞こえてきたわ
。誰も手が出せなかったのを、そなたが助け出したそうではないか」
「恥ずかしいことですじゃ。わしは、もしわしが死んでも、わしの代わりに若い者が生きてくれれば良いと思っただけですじゃ」
「ふむ。しかしその者もシュリ婆もこうして生きておる。そなたもまだまだ、生きねばならぬようじゃな。」
「国王様、わしゃ今は生きていかねばならぬと思うて
おります。生きてこの娘を見守ってやらねばならぬ。そう思っておりますじゃ」
「ふむ。そうか・・・」
国王は一瞬の沈黙の後
「さぁ、おかけくだされ」
そう言いながら自身も紫音達の向かいに座り、続いてゼルダ王子もその横に座った。
「既にお聞き及びであろうが、娘のレイカが病んでお
る」
「はい、聞いております。急に発病されたとか」
「うむ。一月ほど前じゃ。手を尽くしてみたが、どの
医者も匙を投げおった」
「そのうちの一人が、昔同じ症状を見たそうじゃ。そ
の者は、これは原因もわからぬ不治の病であと半年持つかどうかと言っておった」
国王はそう言ったあと、深いため息をついた。
そして
「紫音殿、この通りじゃ。何とかレイカを助けてやっ
てくれぬか」
と言い深々と頭を下げた。
国王の、親が子を思う心情に心を打た紫音は
「わかりました。お姫様は必ず治します」
と、国王に答えた。
「おぉ、治して下さるか」
紫音の言葉を聞いた国王は、隣に座っているゼルダに
「ゼルダ、これでレイカも助かる」
と、顔を明るくさせて言った。
「それじゃ、早速お姫様をみせて頂けますか?」
「ではまいりましょう」
そう言ってハシバ国王は立ち上がり、紫音達を連れて部屋を出た。




