表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陽だまりのコタロウ  作者: じょんどぅ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/100

『夜空のダイヤと、アーサー先輩の銀河講義』

:『夜空のダイヤと、アーサー先輩の銀河講義』


### 1. 司令官、観測拠点テラスを設営

「こたぅ、みて。あれが『なつのだいさんかく』なんだって。秋になっても、まだみえるんだよ」

ハル君は、方位磁石と星座早見盤を手に、庭に広げたレジャーシートの上に寝転びました。三年生になり、方位の概念エヌ・イー・エス・ダブルを完璧にマスターしたハル君の言葉には、確かな知性が宿っています。


「局長、天候条件:快晴。視界、無限大。これより星間座標の特定を開始します。チビ殿、ハル君の星座早見盤を『猫パンチ』で回転させるのはお控えください。座標が数光年ズレてしまいます!」

チビが、カチカチと回る早見盤を面白い獲物だと思い、暗闇の中で瞳を大きく見開いて狙っています。


### 2. アーサー先輩の「銀河の番人」

ハル君の隣には、アーサー先輩が静かに、そして威厳を持って横たわっていました。

「ハル。星を見るということは、遠い過去の光を浴びることだ。お前が見ているあの輝きは、何年も、何十年も旅をしてここに届いているのだよ」


アーサー先輩が夜空を見上げる横顔は、まるで古代の天文学者のようです。

生垣の向こうでは、ルークも同じ空を仰いでいました。

「コタロウ、聞け! あの星々の向こうにも、きっと我らのような警備隊がいるに違いない! ハル君、もっと遠くを見ろ! お前の冒険は、この大地だけでは収まらないのだから!」


### 3. 事件:流れた「一瞬の奇跡」

「……あ! こたぅ、いま、光った!」

ハル君が指差した先を、一筋の光が音もなく横切りました。流れ星です。


「ギィーッ! 未確認飛行物体シューティングスター通過! 指揮官、ただちに願い事の入力を! 間に合いますか!?」

ソラが柿の木の枝から、羽をバタつかせてエールを送りました。


ハル君は慌てて目を閉じ、僕の首元の毛をぎゅっと握りしめました。

(ハル、何を願ったんだ? おやつがいっぱい欲しいとかか? ……いや、お前のことだ。きっともっと「優しい願い」なんだろうな)


### 4. 三年生の「発見」

ハル君はノートに、三角形の星の並びと、今日一番輝いていた星の名前を書き込みました。

『きょうは、あーさーと一緒に星をみた。星は遠いけど、となりにみんながいるから、夜の庭は全然さみしくない。』


ハル君は僕の頭をなでながら、ポツリと言いました。

「ねぇ、こたぅ。ぼくたちが大人になっても、あの星はあそこにいてくれるかな?」


(ああ。星も、僕も、ずっとお前を見守っているよ。お前がどんなに大きくなっても、この場所を忘れないように、光り続けているからな)


### 5. 陽だまりの警備保障、天体観測任務・完了

「ハル君、そろそろお家に入りましょう。ココアが沸いたわよ」

サチコさんの呼ぶ声がして、僕たちの秘密の観測会は幕を閉じました。


陽だまりの警備保障、星空防衛任務・名誉終了。

ハル君の瞳には、さっきまで見ていた星の輝きがそのまま映っているようで、部屋に戻った後もずっとキラキラとしていました。


八巡目の秋、深まる夜。

僕たちの首元に忍ばせた「三代目のひまわりの種」は、冷たい夜風の中でも、ハル君と僕の体温に包まれて、温かく春を待ち続けているのでした。


---



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ