『三代目の収穫と、三年生の約束』
『三代目の収穫と、三年生の約束』
### 1. 指揮官、収穫の「儀式」を執り行う
「ユウくん、みて。……これが、ぼくたちが守った『三代目』だよ」
ハル君は、去年よりもずっと手慣れた様子で、ひまわりの頭を支えています。三年生になり、算数で重さの単位を習ったハル君は、「これは、ずっしり重いね。100グラム以上あるかも!」と科学的な分析も忘れません。
「局長、種子の充填率100%を確認。これより回収作業に入ります。チビ殿、こぼれ落ちる種を『サッカーボール』に変換して紛失させないよう、地上警戒を厳に!」
チビが、ハル君がポロッと外した種を前足でピシッと押さえ、きれいに一箇所に集めています。
### 2. ルークの「黄金の歴史」講義
生垣の向こうでは、ルークが自分の尻尾を旗のように振っていました。
「コタロウ、見ろ! あの小さな一粒が、今や千の星となってハル君の掌にある! ハル君、それはただの種ではない。お前が嵐の夜に守り抜いた『勇気の結晶』なのだ!」
アーサー先輩は、秋の気配が混じった風に鼻をひくつかせながら、静かに佇んでいます。
「ハル。手渡すのは種だけではない。お前がこの夏に学んだ『見守る心』を、ユウに伝えなさい」
### 3. 事件:二つの封筒と、三年生の「一筆」
ハル君は、収穫した種を二つの封筒に分けました。
一通には『ユウくんへ。らいねんも いっしょに さかそうね』。
そしてもう一通、ハル君は今年初めて「筆(習字)」で練習した文字を添えました。
『四代目 陽だまりの ひまわりへ』
「ギィーッ! 命名確認! 『四代目』への正式な継承宣言を受理! 偵察機ソラ、未来の開花予定地を空中より確保!」
ソラが夕焼け空を高く舞い、ハル君の決意を町中に知らせるように鳴きました。
### 4. 僕とハル君の「ひみつの種」
「こたぅ、……これ、一粒だけ、ぼくたちの『ひみつのポッケ』にいれておこう」
ハル君は、一番大きくて立派な種を一粒選び、僕の首輪の裏にある小さなスペース(名札の隙間)に、お守りのようにそっと忍ばせました。
(ハル。この一粒は、僕が冬の間もずっと温めておくよ。お前が三年生から四年生になる時、また一緒に土に埋めような)
僕は、ハル君の日に焼けた手のひらを、一度だけ力強く舐めました。
### 5. 陽だまりの警備保障、八巡目の夏・完全撤収
「さぁ、二学期だ! こたぅ、運動会も、図工も、ぜんぶがんばるよ!」
ハル君は、空になったひまわりの茎を「ありがとう」と言いながら片付け、明日からの学校に思いを馳せました。
陽だまりの警備保障、夏季全任務・名誉終了。
庭にはひまわりの姿はなくなったけれど、ハル君の引き出しには「三代目の記憶」が、そして僕たちの心には「四代目への希望」が、パンパンに詰まっています。
八巡目の秋。
涼やかな虫の音が響く夜、ハル君は僕の背中に顔を埋め、新しい学期の夢を見ながら、静かに眠りにつくのでした。
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