『嵐の夜の秘密基地と、三代目の緊急退避』
『嵐の夜の秘密基地と、三代目の緊急退避』
### 1. 司令官、最優先防衛対象の救出
「パパ、あっち! ひまわりさんが倒れないように、ぼくがささえる!」
雨が降り出す直前、ハル君はカッパを着て庭へ飛び出しました。三代目のひまわりは、ハル君の背丈を越え、立派な種をつけ始めています。その重みで倒れないよう、ハル君はパパと一緒に太い支柱を何本も立て、しっかりと紐で固定しました。
「局長、外郭防衛線の補強完了! これより全隊員、屋内シェルター(リビング)へ撤収します。チビ殿、戸締まりの最終確認を!」
チビが、バタバタと鳴り始めた雨戸の音にビクッとしつつも、カーテンの隙間から外を鋭く監視しています。
### 2. ルークの「嵐を鎮める」咆哮
生垣の向こうでは、ルークの家族も避難の準備をしていました。
「コタロウ、聞け! 風の唸りは、地球の深呼吸だ! ハル君、家が揺れても怖がることはない。この私が、嵐の音をかき消すほどの情熱で、心の防波堤になろうではないか!」
アーサー先輩は、リビングのソファの横でどっしりと伏せています。
「ハル。外が騒がしい時ほど、中の僕たちは静かに、温かくしていよう。それが一番の警備だ」
### 3. 事件:リビングの「避難訓練ごっこ」
雨が激しくなり、窓を叩く音が響きます。ハル君は少し不安そうな顔をしましたが、すぐに「三年生」の顔に戻りました。
「よし、避難くんれんだ! こたぅ、チビ、ここに集合!」
ハル君は毛布とクッションを集めて、テーブルの下に「秘密基地」を作りました。
「ここは、絶対に壊れない『陽だまりシェルター』だよ。ライト、よし! おやつ、よし!」
「ギィーッ! 補給物資、配分完了! 停電時でも、我々の絆は消灯不可だ!」
ソラがカーテンレールの上で、ハル君が照らす懐中電灯の光を浴びて、誇らしげに羽を広げました。
### 4. 守り抜いた「三代目の背中」
夜中、大きな風の音がしましたが、ハル君は僕の体に顔を埋めて、ぐっすりと眠っていました。
(ハル。お前が一生懸命固定したひまわりは、今も外で踏ん張っているぞ。そして僕は、ここでお前の呼吸を守っている。嵐なんて、僕たちの絆を揺らすことはできないんだ)
僕は、ハル君を起こさないように、そっと彼の小さな手を肉球で包み込みました。
### 5. 陽だまりの警備保障、台風通過・異常なし
翌朝、雨が上がり、眩しい太陽が顔を出しました。
庭へ飛び出したハル君が歓声を上げます。
「こたぅ! みて! ひまわりさん、立ってるよ! ぼくたちの勝ちだ!」
陽だまりの警備保障、対災害・拠点防衛任務、完全勝利。
三代目のひまわりは、雨に洗われて昨日よりも輝く黄金色の顔を、青空に向けて高く掲げていました。
八巡目の夏休み、最終盤。
ハル君は、嵐を乗り越えた達成感を胸に、自由研究の最後に力強い一文を書き加えました。
『守るということは、準備をすることと、いっしょにいることだとわかった。』
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