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陽だまりのコタロウ  作者: じょんどぅ


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『二年生への助走と、トラちゃんへの「講義」』

『二年生への助走と、トラちゃんへの「講義」』


### 1. 司令官の「学校案内」


「トラ、きいて。……がっこうはね、チャイムがなったら、おすわりするんだよ」

リビングの特等席で、ハル君が熱心に語りかけています。その目の前には、遊びに来たあの猫のトラちゃん。


トラちゃんも今や立派な成猫ですが、ハル君の前では相変わらず、少し甘えたような顔で尻尾を揺らしています。ハル君は教科書を広げ、トラちゃんに「一年生の心得」を伝授しているのでした。


「局長、指揮官による新人研修(?)が始まりました。トラ殿も、ハル君の威厳に圧倒されている……というか、単に眠いだけのようにも見えます」

チビが、ハル君とトラちゃんの間に割って入り、自分も講義に参加しようと背筋を伸ばします。


### 2. ルークの「先輩」論


生垣の向こうでは、ルークが雪解けの泥を気にせず座り込んでいました。

「コタロウ、見たまえ。ハル君が誰かに『教える』立場になっている。これは防衛体制における『世代交代』ではなく『拡大』だ。来月には、新しい一年生がこの道を通る。ハル君は彼らにとってのアーサー先輩になるのだな」


アーサー先輩は、その言葉を聞いて静かに目を閉じました。

「教えることは、二度学ぶことだ。ハルは今、トラに教えながら、自分の一年間を振り返っている。いい顔になった」


### 3. 事件:消えた「さんすうセット」のパーツ


「あ……! ひとつ、たりない!」

ハル君が真っ青になりました。二年生に上がる前の整理整頓中、さんすうセットの「計算カード」が一枚、どこかへ行ってしまったのです。


「ギィーッ! 紛失物確認! ターゲットは……トラの毛並みの下か、それともソファーの深淵か!」

ソラがカーテンレールの上から鋭く指示を出します。


僕は鼻を利かせました。紙の匂いと、ハル君の指先の匂い。

(ハル、そこじゃない。トラがさっきまで寝ていた、クッションの裏だ!)


僕が鼻先でクッションを退けると、そこには「」と書かれたカードが。トラちゃんが密かに「おもちゃ」としてキープしていたようです。


### 4. 継承される「お守り」のバトン


「よかった……! これ、つぎの一年生に、かしてあげるかもしれないから」

ハル君はカードを綺麗に拭いて、箱に戻しました。


そして、ハル君はトラちゃんの首輪に付いていた「赤い糸(以前ハル君があげたもの)」が少し古くなっているのを見て、自分の新しい文房具セットの中から、キラキラした星のシールを一つ、トラちゃんのチャームに貼ってあげました。


「トラ、これ、二年生の『パワー』だよ」


トラちゃんは「なぉん」と短く鳴き、ハル君の手のひらに頭を擦り付けました。かつて助けられた仔猫が、今ではハル君の成長を一番近くで祝う友になっている。その光景は、冬の寒さを忘れさせるほど温かなものでした。


### 5. 陽だまりの警備保障、進級準備任務・完了


夕暮れ、ハル君はランドセルをピカピカに磨きました。

「こたぅ、……ぼく、もうすぐ『二年生』だね。……もっと、おっきくなるね」


陽だまりの警備保障、一年生最終防衛任務・継続。

僕はハル君の足元で、新しい首輪のプレートをチロリと鳴らしました。

ひまわりの種が土の中で目を覚ます準備を始める頃、ハル君はもっと逞しい背中をして、桜の門をくぐることでしょう。


七巡目の春。

僕たちの警備保障は、新しい「一年生」たちを優しく見守る、頼もしい先輩グループへと進化しようとしていました。


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