『こたつ・クライシスと、一番温かな場所』
『こたつ・クライシスと、一番温かな場所』
### 1. 巨大な「温もり」の出現
リビングに、四角い大きな山が現れました。
「さあ、こたつを出したわよ。ハルくん、コタロウ、足元に気をつけてね」
サチコさんの合図とともに、我が家に「冬の魔物」が降臨しました。
ハル君は目を丸くして、その布の山に飛び込みました。「わあ……! あったかい! こたぅ、おいで!」
僕は慎重に近づきました。柴犬として、外の寒さには強いけれど、一度知ってしまうと抜け出せないこの場所の恐ろしさを、僕は本能で察知していました。
### 2. チビの「こたつ仙人」化
「局長、遅いですよ。ここはすでに、我ら猫族の極秘領土です」
こたつ布団の端から、チビが顔だけを出してニヤリと笑いました。
チビはすでに「こたつの中の最適な温度勾配」を計算し、ヒーターから一番離れた、でも一番温かい「黄金のスポット」を占拠していました。
生垣の向こうでは、ルークが窓越しに寂しそうな顔をしています。
「コタロウ、聞こえるか……。サモエドにとって、その『温かな山』は毛が逆立つほどの猛暑地帯だ。だが、ハル君が中で笑っているのを見ると……私は、氷点下の庭で、雪の結晶を数えるしかないようだ」
### 3. 事件:ハル君の「足跡」迷子
こたつの中で、事件は起きました。
ハル君がこたつの中に潜り込み、中でゴロゴロと動き回っているうちに、自分がどこから入ったのか分からなくなってしまったのです。
「……ん、ん……。……くらーい!」
布団の中から、ハル君の不安そうな声が聞こえます。
「ギィーッ! 指揮官、視界を喪失! 救助隊、ただちに出動せよ!」
ソラがカーテンレールの上から叫びます。
僕は、迷わず布団の隙間に鼻を突っ込みました。
暗闇の中、ハル君の足を見つけ、それを鼻先で「ツン」と押しました。(こっちだ、ハル。僕の声の方へおいで)
### 4. 布団の中の「秘密会議」
ハル君が僕の顔を見つけて、ぱっと表情を明るくしました。
そして、ハル君は僕をこたつの中へと引き込みました。
「こたぅ、……いっしょ。……ないしょだよ」
こたつの中は、外の寒さが嘘のような、不思議で静かな世界でした。
ハル君の小さな足と、僕の前足。チビのゴロゴロという音。
ハル君は僕の首筋に顔を寄せ、小さな声で言いました。
「……サンタさん、……くるかな?」
(ああ、きっと来るよ。だってお前は、今年もしっかり警備主任を務めたからな)
### 5. 陽だまりの警備保障、冬の越冬体制
結局、サチコさんが掃除機を持ってくるまで、僕たちはこたつの中で「冬の特別会議」を続けました。
サチコさんが布団をめくると、そこには川の字になって眠っているハル君、僕、そしてチビの姿。
「あらあら、みんなで仲良く『こたつむり』ね」
サチコさんの優しい笑い声が、冬の冷たい空気を溶かしていきました。
陽だまりの警備保障、冬の拠点防衛任務・完了。
外ではアーサー先輩が庭のパトロールを終え、玄関でご主人に足を拭いてもらっています。
四度目の冬。
松ぼっくりは雪の下で眠っていますが、僕たちの心は、この四角い布の山の中で、これまでで一番熱く、温かく燃えていました。
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