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陽だまりのコタロウ  作者: じょんどぅ


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『小さな産声と、ハル先輩の決意』

『小さな産声と、ハル先輩の決意』


### 1. 指揮官、学校からの緊急帰還レポート

「こたぅ、きいて! 学校のウサギさんに、赤ちゃんがうまれたんだ! ちっちゃくて、ピンク色で、一生懸命うごいてたんだよ!」

学校から帰るなり、ハル君がコタロウの首元に飛び込んできました。その瞳は、新しい命への驚きと感動でキラキラと輝いています。


「局長、エリア・スクールにて新規生命体の誕生を確認。指揮官の興奮指数は最大値です。チビ殿、ハル君が再現している『ウサギのモグモグ運動』を挑発と受け取ってはいけません。それは純粋な観察記録です!」

チビが、ハル君の激しい動きに驚いてキャットタワーの最上階へ避難。そこから「ふーん、僕の方が可愛いけどね」と言いたげな顔でこちらを見ています。


### 2. アーサー先輩の「名前」の哲学

ハル君はリビングで、名前を考えるためにノートを広げました。

「なんて名前にしよう……。みんなが呼びやすくて、強くて、かっこいい名前……」


アーサー先輩が、静かにハル君の横に座ります。

「ハル。名前とは、その者に贈る最初の魔法だ。お前がその子をどう呼ぶかで、その子の世界が決まる。心を込めて、呼びかけなさい」


生垣の向こうでは、ルークが自分の名前の由来を自慢げに語っています。

「コタロウ、聞け! 名前とは魂の叫びだ! 私の『ルーク(光)』という名のように、その子が暗闇を照らすような名前を、ハル君に提案するのだ! 例えば『ルーク二世』などはどうだ!?」


### 3. 事件:四代目の芽と「重なる命」

ハル君は、ふと庭の四代目ひまわりの芽を見つめました。

「ウサギの赤ちゃんも、この芽と同じだね。こたぅ、ぼくがちゃんと守ってあげないと、すぐ消えちゃうくらい、ちっちゃいんだ」


「ギィーッ! 生命維持の共通項を発見! 指揮官、学校と家庭の『ダブル警備体制』を承認します!」

ソラが柿の木の枝から、学校の飼育小屋の方角を指し示すように羽を広げました。


ハル君はノートに一文字、力強く書きました。

『名まえは、ヒマワリにする。』


### 4. 飼育委員の「初仕事」

翌日、ハル君は飼育委員会でその名前を提案しました。

「夏になったら、お庭のひまわりみたいに元気に育ってほしいから。だから、ヒマワリちゃんがいいです!」


その真っ直ぐな言葉に、他のみんなも拍手をして賛成してくれたそうです。

「こたぅ、ぼくね、ヒマワリちゃんが大きくなるまで、学校をお休みしないって決めたんだ」


(ハル。お前はもう、誰かに守られるだけの小さな子じゃないんだな。命を名付け、その成長に責任を持つ。その背中は、僕から見てもすごく頼もしい「先輩」の背中だぞ)


### 5. 陽だまりの警備保障、九巡目・命名任務完了

夕暮れ、ハル君は四代目のひまわりの芽に、いつもより丁寧に水をあげました。

「学校のヒマワリちゃんも、お庭の四代目も、いっしょに大きくしような、こたぅ」


陽だまりの警備保障、生命支援任務・異常なし。

庭の四代目は、まるでその名前を聞いて喜んでいるかのように、梅雨の湿り気をたっぷりと吸い込み、力強く葉を広げていました。


九巡目の初夏。

ハル君の心には、二つの「ひまわり」が同時に咲き始めようとしていました。


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