表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陽だまりのコタロウ  作者: じょんどぅ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/106

『紫陽花の涙と、お手製「ひまわりドーム」』

『紫陽花の涙と、お手製「ひまわりドーム」』


### 1. 指揮官、戦況(日照不足)を分析

「こたぅ、みて。ひまわりさん、葉っぱがたれちゃってる。……おひさま、ぜんぜん出てこないからかな」

ハル君が窓越しに庭を見つめています。四年生になり、理科で「植物の成長と日光」の関係を習ったハル君。四代目のひまわりの元気がない理由を、正確に分析しています。


「局長、日照量:著しく低下。湿度:警報レベル。これより特設防衛シェルターの構築案を提示します。チビ殿、洗濯物の部屋干しハンガーを『ジャングルジム』として利用し、ハル君の靴下を落下させるのは今すぐやめなさい!」

チビが、部屋の中に吊るされた洗濯物の中でアクロバティックな動きを見せていますが、ハル君の不安な様子を見て、そっと足元に寄り添いました。


### 2. アーサー先輩の「根っこ」の教え

ハル君が外に出ようとすると、アーサー先輩が玄関先で引き止めました。

「ハル。雨は悲しいものではない。空が大地を洗っているのだ。今は上に伸びるのではなく、じっと耐えて、下に根を張る時なのだよ」


生垣の向こうでは、ルークがびしょ濡れになりながらも凛としています。

「コタロウ、聞け! 雨に打たれてこそ、真の勇者は磨かれる! ハル君、学校のヒマワリちゃんも同じだ! 太陽が見えない時こそ、お前の笑顔が彼女たちの太陽にならねばならんのだ!」


### 3. 事件:特製「雨よけシールド」完成!

ハル君はパパに相談して、透明なビニールシートと竹の棒を使い、四代目のひまわりの上に小さな屋根を作りました。

「これで、雨に直接あたらないよ。……おひさまが出たら、すぐにとりかえてあげるからね」


「ギィーッ! 簡易シェルター(ドーム)設置完了! 内部湿度、安定。ソラ、空中より排水状況を監視中!」

ソラが柿の木の雨の当たらない場所から、水の流れをチェックしています。


ハル君は学校でも、ウサギの「ヒマワリちゃん」の小屋に乾燥したわらをたっぷり敷いてあげたそうです。

「しいくいいんのぼくができる、さいこうの警備なんだ」


### 4. 七夕の短冊に込めた「約束」

雨の合間に、ハル君は学校で作ってきた笹に短冊を吊るしました。

『四代目が、空までとどきますように。』

そして、もう一枚、こっそり書いたものがありました。

『こたぅが、ずっとわらっていられますように。』


(ハル。お前、自分のことより僕のことやひまわりのことを願うんだな。……大丈夫、僕はいつだってお前の横で、最高に「いい顔」をして笑っているよ)


僕は、ハル君の膝の上に顎を乗せ、雨音を子守唄にしながら、彼の優しい心臓の音を聞いていました。


### 5. 陽だまりの警備保障、九巡目・梅雨防衛任務・継続中

「こたぅ、あしたは晴れるかな。……そしたら、ドームをはずしてあげようね」


陽だまりの警備保障、降雨対策任務・異常なし。

四代目のひまわりは、ハル君が作ったビニール屋根の下で、静かに、でも着実に、その根を深く深く土へと下ろしていました。


九巡目の夏、本番まであと少し。

雨の雫を弾く四代目の葉っぱは、次に訪れる太陽の輝きを、誰よりも強く待ち望んでいるのでした。


---



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ