表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陽だまりのコタロウ  作者: じょんどぅ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/101

『除夜の鐘と、首輪に眠る小さな「春」』

『除夜の鐘と、首輪に眠る小さな「春」』


### 1. 指揮官、除夜の演説を開始

「みんな、あつまって。……ことしも、あとちょっとでおわりだよ」

厚手のコートにマフラーを巻いたハル君が、懐中電灯をマイク代わりにして(?)庭の真ん中に立ちました。その隣には、正装(赤いバンダナ)をした僕が、警備局長として背筋を伸ばしています。


「局長、全隊員、配置に就きました。これよりハル主任による年次報告を受理します。チビ殿、ハル君のマフラーの房を追いかけて『年越しハンティング』を始めるのは禁止です。今は静粛に!」

チビが、寒さで丸くなりながらも、ハル君の言葉をじっと待っています。


### 2. ルークとアーサーの「感謝」の受領

生垣の向こうでは、ルークが白い吐息を吐きながら、厳かに首を垂れていました。

「コタロウ、聞け! 一年の計は元旦にあり、だが、一年の感謝は今この瞬間にある! ハル君、お前が三年生として見せた勇姿は、この路地の伝説として後世に語り継がれるだろう!」


アーサー先輩は、雪を待つような静かな瞳でハル君を見つめます。

「ハル。お前が守った三代目のひまわりは、今はお前の手の中で眠っている。形を変えても、守り抜いたという事実は消えない。立派だったよ」


### 3. 事件:首輪からこぼれた「希望」

演説の途中で、ハル君が僕をぎゅっと抱きしめました。その時、僕の首輪の裏に隠していた「三代目のひまわりの種」が、一粒だけパラリと雪の上に落ちてしまいました。

「あ……っ! ぼくたちのお守りが!」


ハル君が慌てて手を伸ばそうとしたとき、ソラが柿の木から滑空してきました。

「ギィーッ! 落失物、完全防衛! 地面への凍結・埋没を阻止!」

ソラが嘴でその一粒を器用に拾い上げ、ハル君の手のひらにそっと戻しました。


ハル君はその種を見つめて、ポツリと言いました。

「……ありがとう。こたぅ、この種にはね、ぼくたちの『ありがとう』がいっぱい詰まってるんだよ」


### 4. 三年生の「誓いの言葉」

ハル君は、再び懐中電灯を空に向け、サーチライトのように夜空を照らしました。

「ぼく、四年生になったら、もっとみんなを守れるようになる。ユウくんにも、もっと優しくする。ひまわりも、四代目をぜったい咲かせる。……だから、来年もいっしょにいてね、こたぅ」


(ハル。当たり前じゃないか。お前が走る時は風になり、お前が泣く時は盾になる。それが僕たち警備保障の、永遠の契約なんだから)


僕はハル君の顔を力一杯舐めました。冷たい冬の空気の中で、僕たちの周りだけが、ポカポカとした「陽だまり」のような温もりに包まれていました。


### 5. 陽だまりの警備保障、八巡目・最終任務完了

深夜零時。日付が変わった瞬間に、ハル君と僕は一緒にジャンプしました。

「おめでとう、こたぅ! 九巡目もよろしくね!」


陽だまりの警備保障、八巡目全任務、ここに完遂。

ハル君の手の中で温められた一粒の種は、もうすぐ訪れる「四年生の春」を夢見て、小さな鼓動を刻んでいるようでした。


九巡目の夜明け。

新しい太陽が昇る頃、僕たちの物語は、また新しいページへと力強く書き進められていくのでした。


---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ