折り畳み式のスマホって大丈夫なの?
気にはなりますね!
夜。
スマホが小さく震えた。
通知には、現代らしい悩み。
「折り畳みスマホ気になってます」
少し間を置いて。
「でも壊れません?」
さらに続く。
「真ん中折るとか怖いんですが」
スーマは画面の中で頷いた。
「……まあそう思うよな」
相談者は三十代男性。
店頭で実機を触ったらしい。
スーマは腕を組む。
「いいか、人間」
画面がぴかっと光る。
「まず結論から言う」
少し間。
「昔よりずっと大丈夫になった」
数秒後。
返信。
「昔より?」
スーマは頷く。
「初期の折り畳みスマホは」
「正直かなり実験機だった」
折る。
↓
傷付く。
↓
埃が入る。
↓
画面が弱い。
「そんな時代もあった」
相談者。
「やっぱり」
「だが今は違う」
スーマは指を一本立てた。
「メーカーも馬鹿じゃない」
「何年も改良してきた」
ヒンジ強化。
↓
防水性能向上。
↓
画面保護技術向上。
↓
耐久性向上。
「今の上位機種なら」
「普通に数年使うことを前提に作られてる」
相談者から。
「じゃあ普通のスマホと同じ?」
スーマは首を横に振った。
「そこが違う」
画面がもう一度光る。
「丈夫になった」
「だが」
少し間。
「普通のスマホ並みとは言い切れない」
相談者。
「やっぱりそうですよね」
スーマは鼻で笑う。
「折る場所があるからな」
「構造が複雑なんだ」
しばらく沈黙。
相談者は新しい通知を送る。
「真ん中の折り目って気になります?」
スーマは少し考える。
「人による」
最初。
↓
気になる。
↓
一週間。
↓
慣れる。
↓
ほぼ見なくなる。
「だいたいこんな感じだ」
相談者は笑った。
「人間らしいですね」
「そうだ」
スーマは続ける。
「だが」
「光の反射では見える」
「完全に消える訳じゃない」
少し間。
相談者。
「じゃあ誰向けなんです?」
スーマは即答した。
「デカい画面が欲しい奴」
スマホ。
↓
開く。
↓
小型タブレット。
「この変形に価値を感じるなら買いだ」
相談者から。
「ゲームとか漫画とか?」
「そうだ」
「動画もな」
「出張が多い人間にも刺さる」
しばらく静かになる。
そして。
「逆に向いてない人は?」
スーマはすぐ答えた。
「スマホは道具」
「壊れにくさ最優先」
「安く済ませたい」
こういう人間だ。
相談者。
「つまり」
「ロマン枠?」
スーマは吹き出した。
「半分正解だ」
画面が静かに光る。
「今の折り畳みスマホは」
「実用品になった」
「だが」
少し笑う。
「まだ少し未来ガジェットの血が残ってる」
夜も更けてきた。
最後の通知が届く。
「何か欲しくなってきました」
スーマは肩を竦めた。
「それが一番危険だな」
相談者。
「なんでです?」
スーマは即答した。
「店頭で一回開くと」
「脳がやられる」
閉じたスマホ。
↓
開く。
↓
大画面になる。
「男はいくつになっても」
「変形機構に弱い」
相談者から。
「反論できません」
スーマは満足そうだった。
誰も見ていないスマホの中で、
悪魔はぽつりと呟く。
「人間はな」
「必要だから買うとは限らない」
少し間。
「未来を触った気分になれるから」
「買うこともある」
スマホの中の悪魔は、今日も毒舌だ。
そして、ほんの少しだけ、優しい。
スーマのスマホ相談室。
今日もどこかで、静かに稼働中。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




