↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スーマのスマホ相談室  作者: 神北 緑


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
334/354

マンボウは自分が食べられていても気にならない?

何とも不思議な生命体。


夜。

スマホが小さく震えた。


通知には、なんともマンボウらしい質問。

「マンボウって」


少し間を置いて。

「自分が食べられてても気付かないって本当ですか?」


さらに続く。

「ネットで見たんですが」

「体をかじられてても平気らしいです」


スーマは画面の中で顔をしかめた。


「……またマンボウ伝説か」


相談者は三十代男性。

どうやらマンボウの都市伝説を読み漁っているらしい。


スーマは腕を組んだ。

「いいか、人間」


画面がぴかっと光る。

「まず結論から言う」


少し間。


「気付いてないわけじゃない」


数秒後。


返信。


「そうなんですか?」


スーマは頷く。


「当たり前だ」

「生き物だぞ」


しばらく沈黙。


相談者は続きを待っている。


スーマは続けた。


「マンボウはな」

「海の人気者だ」


相談者。


「人気者?」


「捕食者から見ればな」


マグロ。

↓

サメ。

↓

シャチ。

↓

アシカ。


「結構いろんな奴に狙われる」


スーマはため息をついた。


「人気あり過ぎるんだよ」


相談者から。


「じゃあ食べられてるんですか?」


「食べられてる」


即答だった。


だが。


スーマは指を一本立てる。


「ここからが誤解ポイントだ」


画面がもう一度光る。


「マンボウは体がでかい」

「そして丈夫だ」


少し間。


「人間だって」

「指を少し切っただけでは生きてるだろ」


相談者。


「まあ」


「マンボウも似たようなもんだ」


ヒレ。

↓

皮膚の一部。

↓

表面。

「その程度なら」

「食われても生存することがある」


相談者は納得したようだった。


「なるほど」

「だから食べられてても泳いでる写真があるんですね」


「そうだ」


スーマは頷いた。


「痛覚が無いわけじゃねぇ」

「気付いてないわけでもない」


しばらく静かになる。


そして相談者。


「でもなんか鈍そうですよね」


スーマは吹き出した。


「それは否定しにくい」


マンボウ。

↓

体重数百キロ。

↓

最大では1トンを超える。

↓

しかし主食はクラゲ。


「生き方が全体的にのんびりしてる」


スーマは肩を竦めた。


相談者から。


「じゃあネットで見る」


『気付かず食べられてる』


は嘘ですか?


スーマは少し考えた。


そして答えた。


「完全な嘘ではない」

「完全な本当でもない」


画面が静かに光る。


「正しく言うなら」


『食べられても致命傷にならないことがある』


「これが近い」


相談者は短く返した。


「だいぶ印象変わりますね」


「だろ?」


スーマは笑った。


「ネットはな」

「真実より面白い方を選びがちだ」


夜も更けてきた。


最後の通知が届いた。

「マンボウって思ったより普通の魚ですね」


スーマは首を傾げる。


「いや」


少し間。


「十分変な魚だぞ」


相談者から。


「どっちなんです」


スーマは小さく笑った。


「変だが」

「伝説ほどではない」


誰も見ていないスマホの中で、

悪魔はぽつりと呟いた。


「人間はな」

「変わった生き物を見ると」


「本当の話だけじゃ満足しない」


少し間。


「だから」

「マンボウには毎年新しい伝説が増える」


スマホの中の悪魔は、今日も毒舌だ。

そして、ほんの少しだけ、優しい。


スーマのスマホ相談室。

今日もどこかで、静かに稼働中。


今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。


この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。

本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。