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スーマのスマホ相談室  作者: 神北 緑


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Linuxって使ってる人多いの?

Linuxってなんか上級者って感じがしますよね。


夜十一時。

通知には短い疑問。

「Linuxって使ってる人、多いんですか?」

少しして続きが来る。

「Windowsは見るし」

「Macも見るんですが」

「Linux使ってるって人、現実で会ったことないです」


スーマは画面の中で頷いた。

「……それな」

相談者は三十代男性。

たぶんパソコン売り場で思ったのだろう。

スーマは腕を組む。

「結論から言うぞ」

画面がぴかっと光る。

「見えないだけで、めちゃくちゃ使われてる」


スーマは鼻で笑った。

「お前が気付いてないだけだ」


少し間。

相談者は続きを待っている。

スーマは指を一本立てた。

「まず人間が思い浮かべるパソコン」

Windows

Mac

Linux

だな。


「そうです」

「この勝負だと」

スーマは肩を竦めた。

「Linuxは少数派だ」


相談者は頷く。

予想通りだったらしい。

「やっぱり」

「だがな」

スーマは少し意地の悪い笑みを浮かべた。

「話はここからだ」


『サーバー』


画面がもう一度光る。

「お前が見てるWebサイト」

「動画配信」

「ネット通販」

「クラウドサービス」

「その裏側はLinuxだらけだ」


相談者から返信。

「え?」


スーマは頷いた。

「お前がLinuxを使ってないと思ってる時も」

「実はLinuxの世話になってる」


相談者はしばらく黙った。

理解が追いついていない。

スーマは続ける。

「例えるならだな」

「Windowsは表に立つ店員」

「Linuxは裏方の職人だ」

「店員は目立つ」

「職人は目立たない」

「だが店が回るのは職人のおかげだ」


数分後。

新しい通知。

「でも一般人は使わないですよね?」


スーマは笑った。

「実は使ってる」

「え?」

「Androidだ」

相談者は沈黙した。

たぶん今初めて知った。

「Androidって」

「中身はLinux系なんだよ」

画面がぴかっと光る。

「だから」

「Linux使ったことないと思ってる人間の中に」

「実は毎日Linuxを触ってる奴が大量にいる」


相談者から。

「それズルくないですか」


スーマは吹き出した。

「俺に言うな」


少し間。

相談者はまた聞いた。

「じゃあなんでLinux使いって少なく見えるんですか?」


スーマは即答した。

「自分から言うからだ」

「え?」

「Linux使いはな」

「大体勝手に話し始める」


相談者は笑った。

スーマは続ける。

「普通の人は」

『Windows使ってます』

とはあまり言わない。

「だがLinux使いは」

『Linux使ってます』

と言う。

「だから多く見える時と少なく見える時がある」


夜も更けてきた。

最後の通知が届く。

「結局、多いんですか少ないんですか?」


スーマは少し考えた。

そして答える。

「デスクトップでは少ない」

「世の中全体では多い」


相談者は返した。

「なんか矛盾してません?」


スーマは首を振る。

「してない」

「お前が見てる場所に少ないだけだ」


スマホの悪魔は小さく呟いた。

「一番面白いのはな」

「Linuxを使ってる奴より」

「Linuxを使われてる奴の方が圧倒的に多いことだ」


スマホの中の悪魔は、今日も毒舌だ。

そして、ほんの少しだけ、優しい。

スーマのスマホ相談室。

今日もどこかで、静かに稼働中。


今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。


この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。

本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/


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