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スーマのスマホ相談室  作者: 神北 緑


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213/241

人間万事塞翁が馬 〜通知に振り回される現代人版〜

スマホの画面が全てじゃない。


夜。

ロック画面が光り、通知音が鳴り、また一つ集中が途切れたところで相談が届いた。

「“人間万事塞翁が馬”ってありますけど、今の通知だらけの生活に当てはめると、どういう話になりますか?」


スーマは、画面の中で鼻を鳴らした。

「……結論から言うぞ」


画面が、ぴかっと光る。

「現代版・塞翁が馬の正体は、“スマホ通知”だ」

「来るか来ないかわからない。来たら人生の流れが変わる、良いか悪いかは後から分かる」

「完全一致だろ?」


スーマは淡々と語る。

「ある人に、良い通知が届いた。」


「昇進のお知らせ」

「バズりました」

「いいねが爆増」


周囲は言った。

「よかったじゃないか」

「羨ましい」

本人は言った。

「これが幸か不幸かは、まだ分からない」


しばらくすると、悪い通知が届いた。


「炎上しました」

「クレームが来ました」

「納期、前倒しです」


周囲は言った。

「それは大変だ」

「不幸だな」

本人は言った。

「これで終わりかは、まだ分からない」


やがて、その一連の経験のおかげで


フォロワーは減ったが、本当に必要な人だけ残った

仕事は炎上したが、無理な案件を断れるようになった

評価は下がったが、心拍数は正常に戻った


周囲は言った。

「結果的に良かったな」

本人は言った。

「だから言ったろ」


スーマは少し声を落とす。

「“人間万事塞翁が馬”ってな」

「出来事の善悪を“通知が来た瞬間”で判断するなって話だ」


「今は」


その場で評価が見える

数字が即出る

反応が速すぎる


「だから人は」


通知=最終結果

だと勘違いする


スーマは、はっきり言う。

「現代人はな」

「“通知=運命”と思いすぎてる」


未読 → 不安

既読スルー → 終わり

低評価 → 失敗


「塞翁は言ってねぇ」


“良いことが来る”とも

“悪いことが続く”とも

言ってない。

「判断するなそれだけだ」


塞翁が現代に生きてたら?


スーマは肩をすくめた。

「たぶん、こう言う」

「その通知、まだ“ただの途中経過”だ」


スーマは短くまとめる。


通知は結果じゃない

評価は確定じゃない

反応は真実じゃない


“今の気分”と

“人生の方向”を

混ぜるな


スーマは、ぽつりと言った。

「“人間万事塞翁が馬”を現代語にすると」

「“通知で一喜一憂するな。後で意味は変わる”」


「スマホは馬より速い」

「だからこそ降りずに少し離れて見ろ」


最後に、電源ボタンを押す仕草で。

「通知を切っても人生は止まらない」

「だが、通知に振り回されると、人生が分からなくなる」


スマホの中の悪魔は、今日も現実的だ。

未来は通知で決まらない。

意味は後から追いついてくる。


今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。

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