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スーマのスマホ相談室  作者: 神北 緑


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214/241

SNSでも“一期一会”なのか?

今はSNSで全てが完結しているように思えます。


夜。

フォロー、いいね、ブロック。

関係が軽すぎて、重すぎる場所から相談が届いた。

「SNSって、また会えるし、また見られるし、一期一会って感じしないですよね。

それでも一期一会って言えるんでしょうか?」


スーマは、画面の中で少し考えた。

「……結論から言うぞ」


画面が、ぴかっと光る。

「SNSの一期一会は、“会えなくなる”んじゃない」

「“同じ距離・同じ文脈では二度と会えない”」

「これが現代型だ」


スーマは淡々と説明する。

「昔の一期一会はな」


一度会ったら二度と会えない

旅先

茶会

偶然


「空間と時間が制限されてた」

「だから“今この瞬間を大事にしろ”という教えになった」


スーマは続ける。

「SNSでは」


アカウントは残る

投稿も残る

DMも送れる


「一見、一期一会の真逆だ」

だがな、と声を落とす。

「人は、同じ状態では戻ってこない」


スーマは指を一本立てる。

「SNSの一期一会はこれだ」


同じ投稿を同じタイミングで見ること

同じ気分で反応すること

同じ関係性の距離感


「これがそろう瞬間は」


一回限り


「フォローしてても」


時間が経てば

環境が変われば

気持ちが変われば


「同じ会話は再現できねぇ」


スーマは鼻で笑う。

「“ブロックしなきゃまた会える”って思うだろ?」

「だが」

「次に会うときは、もう別人同士だ」


経験が増える

立場が変わる

見え方が変わる


「一期一会は」

「“最後”じゃなく“不可逆”の話だ」


SNSで一番一期一会なのは何か?


スーマは短く言う。

「それはな」


“最初の印象”


最初の投稿

最初の一言

最初の反応


「これだけは、二度とやり直せない」

「後から説明しても、最初の印象は上書きされねぇ」


「じゃあSNSではどう振る舞えばいいの?」


スーマは、きっぱり言う。

「昔みたいに“儀式的に丁寧”である必要はない」

「だが、雑に扱っていいと思った瞬間、一期一会は死ぬ」


適当な言葉

投げっぱなしの反応

相手を“ただのアイコン”扱い


「これやると」

「関係は存在したことさえ忘れられる」


スーマは、短く切る。

「SNSはな」


出会いが多い

別れも速い

形が軽い


「だからこそ一瞬一瞬が、回収不能」

「SNSでも一期一会か?って聞かれたら」


“より一期一会だ”

と答える



最後に、ぽつり。

「現実ではまた会う可能性がある」

「SNSでは」

「“同じ温度の会話”は二度と来ない」

「通知は残るが、瞬間は戻らない」


スマホの中の悪魔は、今日も現実的だ。

繋がりを誇張しない。

瞬間の重さだけを見る。


スーマのスマホ相談室。

今日もどこかで、“いつでも会える”が“今しかない”に静かに言葉を変えている。

今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。


この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。

本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/


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