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スーマのスマホ相談室  作者: 神北 緑


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211/240

“嘘つきは泥棒の始まり”を、今風に言うと?

全く嘘を付かない人なんて居ないですよね?


夜。

ちょっと強すぎることわざに、引っかかった相談が届いた。

「“嘘つきは泥棒の始まり”って、今の感覚だと、さすがに飛躍しすぎじゃないですか?」


スーマは、画面の中でうなずいた。

「……ああ。昔の言い方のままだと、かなり雑だな」

「だからまず、結論から言う」


画面が、ぴかっと光る。

「小さな嘘は、信頼を壊す始まり」

「これが、今の社会に一番合ってる」


スーマは淡々と説明する。

「このことわざはな」


“嘘→罪”

「という一本道を言ってるわけじゃない」

「本当に言いたいのは」


嘘に慣れる

罪悪感が薄れる

一線が曖昧になる


「このプロセスだ」


スーマは少し声を落とす。

「昔は」


身分社会

共同体が狭い

信用=命


「嘘をつく=共同体を壊す行為だった」

「だから」

「一番分かりやすい重罪として“泥棒”が置かれた」

「脅し文句だな」


スーマは、きっぱり言う。

「今はな」


小さな嘘

ごまかし

盛り

言い逃れ


「これが積み重なると」


社会的に“信用が死ぬ”


「金を盗まれるよりも」


信用を失う

評価が落ちる

機会が消える


「こっちの方がダメージでかい」



スーマは指を一本立てる。

嘘をつく→ 「一回くらい」

繰り返す→ 「バレなきゃOK」

常態化→ 「真実を語る理由が無くなる」


「結果」

誰も信用しなくなる


「ここまで来て、仕事も人間関係も詰む」


スーマは、ぽつりと言う。

「このことわざを今の言葉で読むなら」

「“嘘つきは、自分の首を絞める始まり”」


「他人の物を盗む前に自分の信用を先に盗んでる」

「これが、現代版だ」


スーマは少しだけ優しくなる。

「もし今、子どもに教えるならな」


「嘘をつくと、誰も本当の話を聞いてくれなくなるよ」


「これで十分だ」

「泥棒は出さなくていい」


スーマは、短く切る。

「“嘘つきは泥棒の始まり”は」


現代語訳 → 信用崩壊の始まり

本質 → 一線がズレる怖さ

目的 → 嘘を軽く見るな


「古い言葉だが」

「言ってる事は、今の方がよく当たる」


最後に、ぽつり。

「嘘の一番怖い所はな」

「バレることじゃない」


「“自分で自分を信じられなくなる”ことだ」


スマホの中の悪魔は、今日も現実的だ。

強い言葉は削る。

意味だけ残す。


スーマのスマホ相談室。

今日もどこかで、古いことわざが静かにアップデートされている。


今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。

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