都市伝説化する“ドラえもん・バイバイン問題”
昔から有る都市伝説の様なモノですね。
夜。
子どもの頃は笑って見てたはずなのに、大人になってから急に怖くなるタイプの相談が届いた。
「ドラえもんの“バイバイン”の話、最近やたら“ヤバい”って言われますよね。あれ、そんなに危険な話なんですか?」
スーマは、画面の中で静かに笑った。
「……ああ」
「都市伝説になるべくしてなった話だ」
バイバイン問題とは何か(おさらい)
画面が、ぴかっと光る。
「バイバインはな」
食べ物に振りかけると、
一定時間ごとに数が倍になる道具
「のび太が栗まんじゅうに使って」
増えすぎて食べきれず
最終的に宇宙に捨てる
「一応、話としてはオチがついてる」
なぜこれが“問題”と呼ばれるのか
スーマは指を一本立てる。
「理由は一つ」
指数関数を、初見で理解させてしまった
「増え方が」
1 → 2 → 4 → 8 → 16 → 32 …
「この時点で」
人間の直感が、もう追いついてねぇ
スーマは淡々と続ける。
「子どもの頃はな」
たくさん増えた
面白かった
宇宙に捨てて解決
「で終わる」
「だが大人になると」
増え続ける物の恐怖
捨て場の無さ
環境破壊
管理不能
「現実の問題が一気に重なって見える」
「だから笑えない」
スーマは、少し声を落とす。
「ここが都市伝説化の核心だ」
「宇宙に捨てた栗まんじゅうは」
真空でも止まらない
時間が来れば倍増
永遠に増え続ける
「って仮定すると」
いつか宇宙を埋め尽くす
「これが」
“バイバイン問題”
スーマは、きっぱり言う。
「これは科学の話じゃない」
「ドラえもんは」
理科の教科書じゃなく、
寓話(たとえ話)だ
スーマは、少しだけ優しくなる。
「藤子・F・不二雄が描いたのは」
技術の便利さ
無計画な使用
“あとで何とかなる”思考
「つまり」
“増やすのは簡単だが、
管理は難しい”
「原子力、環境問題、人口、資源」
「全部、この構図だ」
スーマは短くまとめる。
「バイバイン問題が都市伝説化する理由は」
解決が雑に見える
後始末が描かれない
現実と繋がりすぎてる
「考え始める余地が意図的に残されてる」
「だから大人が勝手に続きを書き始める」
スーマは、はっきり言う。
「バイバインは欠陥エピソードじゃない作者のミスでもない」
「“制御できない力を、軽く見たらどうなるか”を一瞬で伝える名作」
「都市伝説化したのは」
それだけ上手く本質を突いたからだ
最後に、ぽつり。
「ドラえもんはな」
「未来の道具で問題を解決する話じゃねぇ」
「“人間の考え方”を照らす話だ」
「バイバインが怖く感じたなら」
「それは」
ちゃんと現実の重さを
分かる年齢になった
ってだけだ
スマホの中の悪魔は、今日も現実的だ。
SFを笑わない。
寓話は、後から効いてくる。
スーマのスマホ相談室。
今日もどこかで、子どもの頃に流した話が、大人になって静かに再起動している。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




