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スーマのスマホ相談室  作者: 神北 緑


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204/240

“まだ若いお年寄り”って、変じゃないか?

何か違和感のある言葉ですよね。


昼下がり。

何気ない会話の中で、ちょっと引っかかった言葉が届いた。

「“まだ若いお年寄り”って言い方、意味は分かるけど何か変じゃないですか?」


スーマは、画面の中で少し間を置いた。

「……うん」

「その違和感、かなり健全だ」


画面が、ぴかっと光る。

「“若い”と“お年寄り”は本来、同時に成立しねぇ」

「だからこの言葉は」


論理的にはおかしくて、社会的には便利


「そういう存在だ」


スーマは指を一本立てる。

「理由は二つある」

① “老人”と言うのが怖くなった


失礼に聞こえる

相手を傷つけそう

年齢への配慮


「だから」


“クッション言葉”として

“まだ若い”を足した


② 年齢と実態がズレ始めた

スーマは続ける。

「今はな」


70代で元気に働く

80代でスマホを使う

見た目も若い


「“お年寄り”のイメージが崩れてきてる」

「でも」


新しい呼び名を

作る勇気は無い


「だから、正反対の言葉をくっつけて誤魔化した」


スーマは少し声を落とす。

「“まだ若いお年寄り”ってのはな」

「相手を持ち上げてるようで、年齢の枠から逃がしてない言い方だ」


「“年寄りだけど例外”って扱いだな」

「悪意はない」

「だが」


無意識の線引きはちゃんと残ってる


スーマは肩をすくめる。

「じゃあ、どう言えばいい?」

答えは簡単だ。


元気な人

活動的な人

現役

○○をしている人


「年齢で説明する必要、本当は無い」


スーマは、短く切る。

「“まだ若いお年寄り”は」


気遣いから生まれた

でも言葉としては矛盾

年齢を基準にしたままの表現


「優しさの形なんだが」

「そろそろ別の言い方を選べてもいい時代だ」



最後に、ぽつり。

「言葉が変な時ってな」

「だいたい社会の価値観が過渡期にある」

「“まだ若いお年寄り”が変に聞こえるなら」

「お前の感覚は、一つ先に行ってる」


スマホの中の悪魔は、今日も現実的だ。

言葉を責めない。

違和感を無視しない。


スーマのスマホ相談室。

今日もどこかで、「何か変だな」が「やっぱり変だ」にきちんと名前をもらっている。

今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。


この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。

本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/


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