セレーナのよくわかる王国史②
「当代の王は、自分が王位に就くとまず、それまでの王家を迫害した。
先王はその妃と共に王宮を追われ、その娘である姫はいずれ政略結婚に使えるからと残されたものの、病を理由に自室に幽閉され、専属の使用人以外の前に姿を現すのは『謁見の儀』のみとなった。
そして何より、現王は小心者だった。分家の出だから他国にナメられるのは当然といえば当然なのだが、彼はそれに脅えた結果外交の門を閉ざしてしまった。外交のために交代した王権だというのにそれを止めてしまったのだ。まぁ他国ではなく他国の商人から仕入れているモノもあるから今は大丈夫だが、輸入が制限されたせいで価値が暴騰して入手できなくなったモノも多い。」
「なるほど。確かにこのままだと外交だけじゃなく国内も荒れるってことか。」
「そういうことだ。まぁ荒事はウチの領分なんでそうなったら勝ち残るのは私達なんだが、その芽を潰して王家が生き残るために軍まで動員して血眼になって反乱軍を探しているってワケさ。」
反乱軍の目的は理解した。
だがこのまま彼らと一緒に行動していていいのだろうか?
ヴィヴィは何も言わかなったが、この世界での目的もおそらく─
「なぁ、この国に伝わる有名な宝石ってあるか?」
「宝石?あぁ、『翠の珠』のことか。ほほう、王冠に付けられているカロル王国の宝玉を狙うとはね。」
「あるのか!?」
「あるともさ。いいだろう。どうせ破壊する予定だったんだ。私達が勝ったらお前にやるよ。」
どうやら利害が一致したようだ。




