交信
セレーナは『翠の珠』と言った。
以前の世界から持って帰って、本の中でルーアンが持っていたのは『朱の珠』だった。たぶん色違いで幾つかあるとみて間違いない。
だが全て僕が集めなきゃいけない理由もない。今度こそ宝玉だけ手に入れて、僕は元の世界で粛々と生きていきたい。
そう思って、他の団員が寝静まった後、何度もヴィヴィに呼びかけて数時間。
夜遅くになってやっと応答があった。
「ナンデスカーもー。ヴィヴィちゃん超お疲れモードなんデスケドー」
「お前何やってたんだよ、こっちは大変だったんだぞ!」
「何って...下準備ですよー。この世界を攻略する糸口を作っていたんデス。そちらこそ余計な真似をしてくれたようで。あの女─」
「そ、それはスマン。成り行きで反乱軍に参加することになった。でも反乱が成功したら、『翠の珠』が─」
「ちょっと待ってください、今何と?」
「だから、『翠の珠』が─」
「違いマス☆その前!反乱軍と仰いましたネ?」
「え?あぁ。」
「あーあーあーあー、そういう事でしたカ☆なるほどネェ?」
「お、おい。何だよ、その反応。」
「それは後程説明致しマス☆それで?その反乱軍は、何か企てでもあるのデスネ?」
「『デスネ?』って、何である前提で質問してくるんだよモヤモヤするなぁ。あぁそうだよ、2日後に実行予定の計画がひとつ。」
「そうデスカ☆それなら速く済みそうデスネ☆
キャー☆アタシ達、2回目の冒険にしてかなりいいコンビになってきたんじゃないですカ?」
「ちょっと待って話の流れが─」
「イイんデス☆この超有能サポートキャラ、魔本のヴィヴィちゃんの言う通りにしてれば何でもスっと解決しますノデ☆まっかせといてください☆それではさすがの眠さに屈服して、サヨナラ☆」
またもや一方的に喋るだけ喋って更新を切ってしまうヴィヴィにイラつきながらも、眠ることにした。




