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名前を失う異世界物語  作者: きなこもち
2章・革命の炎は此処に
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新しい異世界ライフ

目が覚めると、町の中にいた。

僕が元々いた世界とはとても思えないが、しかし前に飛ばされた世界には町などないし、あの世界は壊れた筈だ。ということは─

「ハァイ☆おなじみ、ヴィヴィちゃんデス☆

新(・)し(・)い(・)異(・)世(・)界(・)ラ(・)イ(・)フ(・)、楽しんでいただけてますでしょうカ☆」

「またお前か!しかも今お前...」

「新(・)し(・)い(・)異(・)世(・)界(・)ラ(・)イ(・)フ(・)、と申しましたが、それが何か?」

それが何か、どころの騒ぎではない。

「何でまた異世界なんだよ!」

せっかく生還できたと思ったのに、もう一度死地に赴け、とでも言いたいのだろうか。

─あいにく、この町からそんな雰囲気など...

「キャー!助けてー!」

近くで叫び声がした。

「なんだ!?」

「あぁ、それですか、関わらない方が─」

「いやでも、女の子が襲われてるんだぞ!助けに行かなきゃ!」

「あ、ちょっと─」

ヴィヴィの静止も聞かず、叫び声の元へ駆けつける。

そこでは、女の子が厳(いか)つい男たちに殴る蹴るの暴行を受けていた。どう見ても金銭目的のカツアゲだ。

だが不思議なことに、周りの人々はまるでそれが日常的な、取るに足らないことのように無視している。

「おいお前ら、何をして─」

「助けてください、酷い人達に襲われているんです!」

「それは見れば分か─」

「酷いんです!私を王国から追い出して、酷い目に遭わせようとしてるんです!」

「え、でもこれはどうみても─」

「ですから助けてください!」

「いや助けるけど─」

「『助ける』、と仰いましたね?」

少女の口調が不意に変わる。口角がつり上がって悪そうに微笑んでいる。

しまった、と思った時には、もう遅かった。

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