新しい異世界ライフ
目が覚めると、町の中にいた。
僕が元々いた世界とはとても思えないが、しかし前に飛ばされた世界には町などないし、あの世界は壊れた筈だ。ということは─
「ハァイ☆おなじみ、ヴィヴィちゃんデス☆
新しい異世界ライフ、楽しんでいただけてますでしょうカ☆」
「またお前か!しかも今お前...」
「新しい異世界ライフ、と申しましたが、それが何か?」
それが何か、どころの騒ぎではない。
「何でまた異世界なんだよ!」
せっかく生還できたと思ったのに、もう一度死地に赴け、とでも言いたいのだろうか。
─あいにく、この町からそんな雰囲気など...
「キャー!助けてー!」
近くで叫び声がした。
「なんだ!?」
「あぁ、それですか、関わらない方が─」
「いやでも、女の子が襲われてるんだぞ!助けに行かなきゃ!」
「あ、ちょっと─」
ヴィヴィの静止も聞かず、叫び声の元へ駆けつける。
そこでは、女の子が厳つい男たちに殴る蹴るの暴行を受けていた。どう見ても金銭目的のカツアゲだ。
だが不思議なことに、周りの人々はまるでそれが日常的な、取るに足らないことのように無視している。
「おいお前ら、何をして─」
「助けてください、酷い人達に襲われているんです!」
「それは見れば分か─」
「酷いんです!私を王国から追い出して、酷い目に遭わせようとしてるんです!」
「え、でもこれはどうみても─」
「ですから助けてください!」
「いや助けるけど─」
「『助ける』、と仰いましたね?」
少女の口調が不意に変わる。口角がつり上がって悪そうに微笑んでいる。
しまった、と思った時には、もう遅かった。




