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名前を失う異世界物語  作者: きなこもち
1章・生存競争
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名前

ライムの箱が消えていく。

ルーアンの箱が消えていく。

それは仲間の生還の保証であると同時に、僕の死亡の確定でもあった。

自分の死が見えると、走馬灯という程でもないが、自分の人生がゆっくりと思い出される。

崩壊していく世界の中で、僕は幻像(まぼろし)を視ていた─


─小学校。

僕は普通の子供だった。

かけっこは中堅で、ドッジボールもせいぜいボールを避けるのがうまい程度。ゲームもさして上手くはない。至って普通の子供。


─中学校。

僕は普通の中学生だった。

たまに課題を忘れ、テストの点は平均よりちょっと高いくらいで、特に部活にも入っていなかった。

ここで〇〇さんに告白してフラれたことが、高校に入っても続くいじめの始まりだった─

〇〇さん。

あれ、おかしいな。名前が思(・)い(・)出(・)せ(・)な(・)い(・)。

●●にいじめられて...殴られて...

何故だか思(・)い(・)出(・)せ(・)な(・)い(・)。

そのせいで、最期に恨み言を言うことすら許されない。

「つくづく、僕は不運なんだな...

ホント...なんなんだよ...」

気づくと、涙が溢れていた。

「クソォォォォォ!!!!!」

「どうしたの、□□。ご飯よ、降りてきなさい。」

突然聞こえた、聞き覚えのある名前に、僕の身体は引っ張られていった─

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