ダッシュ
キビスケは走った。全力で走った。
そして辿り着いた。仲間の元に。
今にも天井が崩れそうだった。
「おおおおおおおおおおおおおおおお!」
『きびだんご』のフルパワーで、彼女達のいる箱を外へ持ち出すのだ。
「ダメです!そこから取り外すと、元の世界への行き方がわからなくなりマス!」
「どうすればいい!」
「ライムさんの箱には『草』のエレメントによる高レベルの蔓の加護がありマス。おそらく最後まで耐えてくれるでしょう。」
「ということは─問題はルーアンか!」
ルーアンが立ち止まっていた箱を見る。
「でもそれがわかった所で、どうすればいいんだ?」
「それが─」
ヴィヴィは、とても言いづらそうに言い淀む。
「どうなんだ!」
時間がないので、口調が荒くなる。
「─選んでください。ご自分か、ルーアンさんか。」
「どういうことだ?」
「アタシの力で、1人だけこの世界からサルベージできマス☆そう、1人だけ。」
「じゃあルーアンだ。ルーアンを助けろ。」
「1人だけですから慎重に...て、アレ、即答デスネ...」
僕が即断したせいで、ヴィヴィは心底驚いた声をしていた。
「いいんデス?ここにいれば、死んでしまいマスヨ?」
僕は最初、ヴィヴィに対し「絶対に死にたくない」と言った。
だが─
「いいんだ。このままの僕が戻ったところで何も変わらない。結局、結局だ...」
『きびだんご』が元の世界で使えるかどうかは分からない。
「それに、また約束しちまったからよ。」
「.........そうデスカ☆アタシは、貴方は充分な力を得たと思いますがネェ☆」
そう言い残して、ヴィヴィはルーアンのサルベージを開始した。




