賭け
キビスケは走った。『きびだんご』で自分を強化し、仲間達の身体を担ぎ、大きな扉を蹴破り、ルーアン達が立ち止まった場所まで戻る。
「キビ、スケ...?」
ルーアンが目を覚ました。
「何を、してるの...?」
「終わらせるんだよ。あとちょっとなんだ。」
「『鬼』は、どうなったんですか...?」
ライムも目覚めたようだ。
「倒したよ。だから皆、家に帰らなくっちゃ。」
「家にって、私達の世界は、もう...」
「この世界は、地獄の中にある、『鬼』が創った世界なんだ。」
「『鬼』が?」
ライムは心底驚いたようだ。
「そう、つまり私達がいるココは、地獄の中のようね。」
「確認してきましタ☆外のゴーレムの残骸&川の水の中から手がかりを探った結果、スキルの使用者が別の世界に飛んでいった痕跡が確認されましタ☆」
「つまり私達の元いた世界は、まだ残ってる!?」
「そうだ。生身で転移した僕や『鬼』と契約してその力で来たイバラ...あー、『鬼』のことだけど。その二人はここで死ぬと終わりだけど、ルーアン達はそうじゃない。他人の手で無理やり地獄に連れてこようとした結果、仮に死んでいる状態なんだ。死なないと天国や地獄には来れないからな。」
「つまり仮に死んでいる私達は、ここで死ぬことで生き返る、ってこと!?」
「確かに、生者の世界で死んだら、魂は身体から弾き出されて生者の世界にいられなくなると解釈するのであれば、死者の世界である地獄で死んだら...」
「ちょっと待って。じゃあ今向かってるのって─」
「そう、お前達の所へ急がなくっちゃ。」




