↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名前を失う異世界物語  作者: きなこもち
1章・生存競争
PR
67/82

全面戦争・後編Ⅵ

僕は、負けるのか。

ルーアンに期待されているのに。ヒーローなのに。

悪役にボコボコにされて、馬鹿にされて。

昔からそうだった。

結局、『力の魔本』なんぞに頼ったところで、僕の弱い本質は変わらないということか。


─何も、得られなかった。何も、救えなかった。

家に帰ることも出来ず、僕はここで死ぬんだ。

あいつらに復讐することも出来ず、桃太郎みたいな立場のくせして鬼退治だってままならないんだ。

独りで、死んでいくのだ。

寂しい。

『なっ、寂しくなんか─ううん、そうね。寂しかったのよ。

私は寂しかった。ここから救ってくれるヒーローが欲しかった。だからアンタに名前をつけるとき、昔絵本で見たヒーローが浮かんだんだと思う。凄いのよ、そのヒーロー。仲間と一緒に悪い鬼を退治しに行くの。』

....................................。

『...そうよ!私、アンタには期待してるんだから、私達を負けさせたら承知しないんだから!』

....................................!

「『きびだんご』...!」

いつになく、強く身体を強化する。

僕はもう、独りじゃない。

あったじゃないか、『本』の中で、手に入れたもの。

信頼出来る仲間、じゃない、逆(・)だ(・)。

今まで手に入らなかったもの。

何も無い僕に、手に入るはずもなかった、大事なもの。

僕は、仲間に信頼されている─!

「負けるわけには、いかないんだッ!」

その声に、『鬼』が驚いた声を上げる。

「貴様、まだ生きておったとはな!」

「『生きてる』なんてヤワなもんじゃない。

僕はお前を、退治する!!!」

断魔の刀は、一層煌(きら)めき、『鬼』の方を向いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。