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名前を失う異世界物語  作者: きなこもち
1章・生存競争
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全面戦争・後編Ⅴ

「『鬼』が、創った...世界...?」

「あぁそうだ。この際だから教えてやろう。どうせお前も死にゆく身だしな。不思議に思ったことはないのか?他の連中は、何かにつけて世界が燃えた、などと抜かしておっただろうに。」

確かにそうだ。ルーアン達が過去を語るとき、必ず付随してきた荒唐無稽(こうとうむけい)なフレーズ。

意味はよくわからなかったが、とても嘘には思えなかったのだ。

「簡単だ。世界が燃えたのではない。この俺様の手で連中を地獄に連れてくるためには、一度地獄の炎を通る必要があったというのみよ。」

「じゃあなんで、お前はみんなをこの世界に連れてきたりしたんだ!」

「言ったであろう。俺様の目的は世界を統べる神になることのみ。よいか?神(・)が(・)世(・)界(・)を(・)統(・)べ(・)る(・)の(・)で(・)は(・)な(・)い(・)。(・)世(・)界(・)を(・)統(・)べ(・)る(・)者(・)が(・)神(・)な(・)の(・)だ(・)!だからどこかに、世(・)界(・)の(・)縮(・)図(・)を作る必要があった!その為に誰もいない白紙の世界に人間共を連れてきて、」

「─『属性』を、与えた!」

「そうだ!『地獄』や『鬼』を想像によって創造したのは人間だ!故に逆もまた然り!『鬼』の世界である『地獄』もまた、人間界に影響できる!

故に地獄の中の白紙に世界を創り、そこに連れてきた人間共に世界に存在する代表的な『属性』を与え、それを全て屈服させることで俺様は神になる!」

「そんなこと─」

「できるとも!少なくとも俺様の契約者はそう思って俺様に交渉をもちかけた!」

「ナルホド☆本来『鬼』は属性でありながら想像上のものでしかない。それに身体を与えたのがその『契約者』さん、というわけデスネ☆」

「その通り。俺様は契約者イバラと共に勝者となる。故に『属性』も持たぬ貴様は邪魔だ!故に─


─ここで死ね。」

思い切り金棒で殴られ、僕の意識は遠のいていった。

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