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名前を失う異世界物語  作者: きなこもち
1章・生存競争
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全面戦争・後編Ⅰ

男は金棒を振り回しながら、こちらに迫ってきた。

「『ウィップアーム』!」「『きびだんご』!」

『きびだんご』で強化したライムの拳が、金棒と拮抗する。

「ほう、やはり我のみの力ではこの程度か...」

呟くと素早く後退し、玉座ともいえるような大きな椅子に背を向けて立ち、金棒を地面に突き立て、

「ならばやはり、こうするしかあるまいよ。」

と吐き捨てた。

だが、

「『熱風』!」

スキル詠唱によって、男がルーアンに注目する。

「なんだか分からないけど、何もさせたくないから。」

「フン、関係ないな。我のスキルの前に、この程度。」

男は、『熱風』にも怯まず、跪いて拳を地面に突き立てて、叫び出した。

「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」


男が叫ぶと、その周囲から凄まじい勢いで『熱風』が押し返されてきた。

「何だ、アイツ!」

「不明!不明デス!デスが先程までに比べて強くなっていってることは分かりマス!」

「なんですって!」

「そんな...先程までよりも...?」

男の叫びが終わると、姿はかなり変貌していた。

その姿は、これぞ『鬼』と呼ぶにふさわしい、というような恐ろしさだった。

赤い皮膚、2本の角、大きく見開かれた黄色の目、大きく尖った牙。

「これぞ俺様の真の姿...いや、違うな。俺様と契約し力を借りた、神様のなりそこないの姿だ!」

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