全面戦争・前編Ⅳ
「援護する、シャーレイ!」
「了解。『同意体』デ応戦デキナイ個体ヲ撃ち抜イテ。」
複数の身体を同時に操っている副作用で、彼女はまともな口調を維持できないらしい。
「『電撃』、『電撃』、『電撃』!クソッ、キリがない!」
「当たり前だろ、後ろを任されてんだから。足止めのためにこの程度の量を用意するのは普通だ、普通。」
トニーは余裕の笑みをこぼしながら見下ろしている。
「クソッ、『電撃』!」
あまりにムカついたためトニーに向かって『電撃』を放つが、
「『自己強化』。」
使えないはずのスキルで、完全に受け切られてしまった。
「バカな!そのスキルは、ゴーレムの...」
「ゴーレムにしか使えないなんて誰が言ったよ?もっとも、ゴーレムとは仕様が違うからここで畳み掛けにゃあいけなくなっちまったがな。」
「何、を...」
完全に疲弊しきったシャーレイが、『同化』を解いて水から上がってきていた。
「こりゃいい、好都合だ!よっ、と!」
トニーは、30mほどの高さからこともなげに降りてきた。
「ゴーレムは、もう、いいのか?」
このまま戦っていれば、MP切れでジリ貧になるのはアルバ達の方だったはずだ。
「長期戦すると俺が一方的に負けちまうんでね。
悪いが道連れだ。恨むんなら、お前らに門番を任せた野郎にするんだな。」
いみじくも先程のアルバの台詞を吐きながら、トニーは最期の勝負を仕掛けた。




