鬼の能力
「『鬼』のイバラ─奴は完全な『悪』だ。それに抵抗するお前らは必然的に『正義』。分かりやすいだろ?」
「そのイバラって、どういう『悪』なんだ?」
トニーは一呼吸置いて、
「気に入らないやつ...もとい、自分以外を排斥して生き残るのは、この『生存競争』において当然ともいえる。強いやつが弱いやつを倒すのは当然の理だ。
だがアイツは、自分ではやらないんだ。どういう手を使ったのか知らんが、アイツに会った人間は皆、アイツに従わされる。進んでじゃなく、いやいやって顔してたし。」
うんうん、とライムが頷く。
「おや、なんだ、嬢ちゃん。心当たりがあるってのかい?」
「はい...私も、操られていました。」
「操られてた...か。こりゃまた的を射た表現だ。奴を前にしたら何者であろうと服従からは逃れられないらしいからな。」
ここまで聞くと、トニーが『鬼』から姿を隠した『岩』の男だという話には信憑性が出てくる。
そもそも彼が『鬼』の配下なら、こちらが疲弊しているところに襲いかかってしまえば勝ちなのだ。
「でも、そんなことどうやって知ったんだ?」
「『風』のスバルから聞いたんだよ。アイツ口軽いな。隠すべきことでもなかったのかもしれんが。」
「とにかく、『鬼』と戦うならその洗脳操作のような力にも対策が必要、というわけデスネ☆」
「あぁそうだ。どうだ、俺と組む気になったか?」




