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『岩』の男、トニー
「ハハハッ、じゃあこの俺が力になってやろう!」
ライムが寝ている岩から、唐突に声がした。
「岩が、喋っ─」
「おおっと!?俺は岩だけど、岩じゃねぇよ!ちょっとこの嬢ちゃん、どかしてくれや。」
ルーアンと2人でライムを持ち上げると、「解除!」という声の後、岩がぐにゃぐにゃと形を変えて人型、もとい、人間に変化した。
「よっ、俺、『岩』のトニー!よろしくな!」
その岩は、本当に人間だったようだ。
よく喋り、よく笑う、快活な男。
『影』と違って、こちらは信用してもよさそうだ。だが一応、
「本当に協力してくれるのか?交換条件とかは─」
「ねェよ、ンなもん。俺はただ、闘って、勝って、生き残れればそれでいい。それ以外は二の次だ。」
「でも聞いてたでしょう、さっきの話。こっちは戦力不足よ?あっちについた方が生存率は高いんじゃなくて?」
「いんや、俺はアイツとは合わない。あっちの人間関係は、『鬼』と、それ以外。それで完結してんだ。『それ以外』の部分は『鬼』には絶対服従だ。だから『鬼』に嫌われたら排斥される。
それとあとひとつ、この世の中には決まりがあってよ。」
トニーは絶対不変のルールだ、といわんばかりの自信満々の顔つきで、
「どういう決まりですか?」
「正義は絶対に勝つ、ってことだ。」
身も蓋もないことを言い出した。




