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ほくそ笑む彼女
その時、全員が上を向いていた。
そんな所に人なんかいるはずがないのに。
男は、宙に立っていた。
「俺は『風』のスバル!今日1日、お前らのことは見させてもらった!『炎』と『草』なんかじゃ、持久戦にもならん!悪いがここで死んでもらうぞ。」
男は空中で声高に、自信満々に叫ぶ。
「クソっ!確かにルーアンは言わずもがな、ライムのスキルも接地してない相手には効果がない!」
「でも、私の草結びを焼いたあの技は...」
「悪いが、あれは出した本人でも─」
「分かるわよ?」
この危機的状況にも関わらず、彼女はほくそ笑んでいた。
「強がりなんかじゃないわ。簡単なことじゃない。私の『灯火』はレベル2。私自身に他にスキルは無し。あそこでライムが私の火力を強化する理由も無い。となると残るは、アンタしかいないじゃないの。」
言われて、絶句した。
「僕、の...?」
「そうよ、アンタのスキル。名前は分からないけど、きっとあの爆発は、アンタが私を応援したことで『灯火』が強化された結果なんだわ。違う?ヴィヴィ。」
「その通りデス☆スキル名はお名前同様不明デスが、効果は『戦闘能力を持つものの戦闘に関わる能力を2倍にする』デスね☆」
それをもっと早く言ってくれよ、という言葉は飲み込んだ。
ルーアンは第一印象より賢い人なのかもしれない。




