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ぱわふる羊っ娘のVRMMO奮闘記〜スタート地点は海上の小型ボートってどういうこと?〜  作者: 眠眠


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先にしなければいけない用事だけ済まして、出かける準備をする。アイツと話す時は隠れ家的カフェと決まってるのだ。


個室もあるし美味しいから良いけど、微妙にアクセスも悪いから面倒。まぁ、何故か全部奢ってくれるからそこは嬉しい。


親が金持ちなのか、アイツ自体が金を持ってるのかは知らないけど……私の2つ上でお嬢様っぽい雰囲気は感じる。


約束の時間に間に合うようにカフェまで行くと、青のキャミソールワンピースを着た、銀髪の洋顔な美女が私を捉えた。


「フフ、素直に来てくれるのはスキよ?」


「そう、なら宣言通り拳を!」


「熱烈なプロポーズだわ」


私は遠慮なく顔を殴ろうとするも、腕を軽く掴まれ軌道をズラされる。そして体幹が僅かに揺らいだのを狙われた。片手を恋人繋ぎのようにされ、足捌きで完全に崩されてコイツにもたれかかるようにされる。


「キュートなリトルシスターにも見えるわ、甘えん坊ネ?」


「離して姉を名乗る不審者……!」


「ンー、聞こえないわ」


コイツは190センチ、一方私は165センチだ。定期的にこうやって身長マウントを取られるのは納得いかない。無理矢理縮めてやろうか。


傍から見ると、私が甘えてるみたいに見せてるのが本当にタチが悪い。


「カフェに早く入りましょう? ワタメにもグッドな話よ?」


「ならその撫でてる手を止めて離して? 本気で怒るからね?」


「名残惜しいわ……」


渋々離してくれた。そう言えば今思ったけどコイツ、出会ったときから、今よりは下手だけど日本語話してた。いつ習ったんだろう。


それはさておき、両者別々の意味で納得がいかない顔で個室に通される。とりあえず飲み物とメニューを適当に頼んで、その後何回か揶揄われつつもやっと本題に入る。


「はぁ……で、私に話って?」


「ワタシ日本に住むことにしたわ」


「ふーん……え、本当に?」


「えぇ、イエスよ」


コイツは基本アメリカに住んでるから、こっちに来る時はわざわざ予定を空けて来てる。けど、そうなるとコイツと更に顔を合わす機会が増えてしまう。


「……ちなみにどこに?」


「ワタメの親愛なる隣人になるわね」


「私の部屋の隣って言う意味じゃないよね」


「察しが良い子はスキよ?」


「何処が良い話?!」


しれっと私の住所がバレてた。おおよそは伝えてあるけど、部屋番号までは言ってなかったのに……。本格的に訴えるか検討していると、更に次の爆弾があった。


「それと、ワタシがプロゲーマーチームを作ったのはもう聞いてるわよね?」


「アレ本当だったんだ……」


「フフ、没入型VRゲーム部門を作るから招待するわ。もうイルテナオンラインはプレイしてるでしょう?」


「何で知ってるの……あと絶対に嫌だ」


私の拒否権を失くすやり方で招待しそうなのがもっと嫌だ。次にどんなことを言われるかと身構えていると、私の考えに反して素直に引くような素振りを見せる。


「やっぱりツれないわね。リワードも用意するし強制はしないけれど」


「何を企んでるの?」


「そう睨むのはノーグッドよ?」


「企んでるのは否定しないのか……」


頭を抱えながら、注文したフルーツジュースを飲む。身に染みるね……。


「なんてことはないわ。ただ、世界初のVRゲームをエンジョイしようとしてるだけよ?」


「本音は?」


長年の付き合いで、こういう風な言い方をしてる時は嘘を付いてるって分かる。コイツは少し間を置いてから、口を開く。


「ワタシとワタメで、あのワールドをめちゃくちゃにして楽しみましょう?」


「ぜっっっっったいに嫌だ」


変わらない笑みで、そう言い放った。何を考えてるのコイツは。


「退屈はさせないわ。 スリリングだけどきっと愉快なことになるのは分かってるでしょう?」


「そんな誘いで乗る訳ないでしょ」


「目は素直に興味津々ってワタシに伝えてくれてるから嬉しいわ」


「っ……」


きっと常人はコイツの手を取ったら、二度と普通には戻れないと直感で分かる。いつものヘラヘラとしたコイツとは違う、出会った時の事を思い出す。そう、あの時もこんな雰囲気に……。


「迷うことはないわ、ワタシはワタメの味方よ」


「なに、言って……」


「ずっと待ってたのよ、ワタメが好きに動けるワールドが生まれることを」


「別に今も好きにして……」


「お金は溜まる一方、何をしても底から満たされない。きっとVRに手を出したのはなんとなくじゃなくて……ネ?」


「……」


どんなに否定的な言葉を出しても、今はすべて無意味だと理解した。コイツにとっても私にとっても。


「さぁ、ワタメ……選びましょう? ありふれた普遍的な道か、もう後戻り出来ないような愉快で破滅的な旅かを。()()()()()()()から、ワタシは気づいているわよ?」


後ろに回られて囁かれる。私にとって最低最悪の……それでもって()()の言葉が頭に直接響く。


「ワタメ、チョイスは?」


「私、は―――」

読んで頂きありがとうございます。ゲームの進行度的にはまだまだですが、章を区切るならワタメの物語の序章はこれで終わりです。これからもよろしくお願いします。

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ワタメちゃん、意外と闇深系なのか……?ボブは訝しんだ
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