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「おぃなんか……近づいて来てないか。アッチ、ほらアッチからゾロゾロとさ……、なんか見た事があるの」
それは火をともし、明らかにこちらを目指している様子。しかもそいつらはおかしい事が分かるんだ、数名は空中に炎を燃やしている。掲げているから。
そうして光る農具。魔弾も多数、真っ直ぐに。
真っ直ぐ、明らかにコチラだ、コチラを目指している様子だ。雰囲気も完全にヤバいから、それは強い強い使命感と興奮、そうしてほの暗い殺意をまとって。
「やっぱ出た方が良かったんだ……籠るのは駄目だってぇ!?」「マズイ、まずいってぇぇ……、あれマジでヤバい奴ぅ―――ッ!?」
逃げたほうが良い。誰もがそう思った。
教師たちが前へ出る、でも話をしてるとあっさりと殴られた。ここはきっと法律とかが違うんだ、言い知れぬ感覚が腹から湧き上がってて。
もしここだけが因習村ならどれだけ良いたろう、1000人パワーで押せた。だけど問題はこの量の生徒がどう逃げるかだ、この世界、目の前には鬱蒼とした森と荒涼とした廃村のような。
「あれを倒せーーッ!」「全部壊して良いぞ、全部全部引き出させろ、うぉおおおオオオオ!」
あっという間に校門の前で奇声を上げ響く怒号。光の一撃が穿たれた、爆発。狩ってやるぞ出て来いと叫び、だがその時更に「オィ、待ちなさいっ。お待ちなさいと言っています、人を殺してはなりませんよッ!」
そこにやって来たのは宗教者だろうか、明らかに他とは違う身なり、数人で大慌てで村人たちを止めていて。
「武器を捨てなさい早く! 恐ろしいのは分かります、当然だっ……このような異形が現れたのだから! 誰もが狼狽しても当然です、でも待って欲しいっ」「でもお上に言っても動かねえじゃねえですかァっ!?」「あんなの突然現れてて……っそれでなんで動かねえんだよ」「そうだそうだ、モンスターかもしんねえだろが!」
「えぇ、そうですねそうです……。ただ、ですがアナタ達も危ないんだ、だからですよ、それに命は平等なんです」
「あれには確かにニンゲンと思しきのがね……出入りするのを見たのです、本当です。まずは会話だ……それからなんだ、だからお待ちなさい!」
弱いのだろうか。そのまま説得された農民と思しき者たちは外へと待機に。その殺されそうだった教師の手を取る、神妙な顔で。
正に異端者狩りだったから、それとも魔女狩りか、ヒステリーとでも評するべきか。それは映画さながらで、でも現実はもっともっと薄汚くて気持ちの悪い光景であり。誰もが……。
「えぇそうです……、そうですね。何度も言いますが、ここはニホンというのではないのです、アナタ達は恐らく別の世界のニンゲンだ」
人が良さそうな人間の、その聖職者の男が、渡されたこーひーという訳の分からない物を一瞥し、香りを嗅ぎ周りも存分に見てそれでも置くのだ「そのニホンもですがね、アメリカというのも、ドイツという地名はここにはありません。全く。全くです。キリストというのもイスラムも分かりませんね、何か重要みたいですが――むしろアナタが神を知らないのが驚きだ……。もうだったらば別世界というべき所から転生して来たのでしょう」
「異世界転生、それは本当に……、それは、本当なのですか?」
第1職員室、その話は誰もが驚愕したが、それでも「えぇ、ですが早急に受け入れてもらわねばならない。事実こちらの方が大変なんです、実際ココは私達の土地なので」
森が消えたんだ――。
「あの――、あぁそんな。申し訳ありません、申し訳ありませんけど……。それでどうなんでしょうか?」言い表せない言葉を、その顔色は、それは眉根を動かすだけという「そうですね、実際生徒たちが非常に困っています、正に怯えているんだ、これからどうなって、私達はどうすれば……!」
「えぇ分かります、だから互いに早急に手を打たねばなりませんね。それでアナタたちはまず、転生時の言語分解による理、その事故については?」
「じ、事故……? 事故とは」
全員で見回す教職員室の、無言の空気が降りて「いや……、そこまでですか」考える様子の聖職者が。
「えと、あの、すいません、分からない事ばかりで。混乱しています、色々分からないんだ、それでもどーーぞ、私達への便宜をはかって欲しいんですよっ……」
見やる外の光を。言えるのはそれだけで。
渋い顔をするその男。考えて「そうですか……、困りましたね。えぇえぇ、だがもちろんだ。実は転生に関して少ないですが実績があります、安心してください。不意の転生というのをきちんと保護してました。まずはですが調査したいですね」
「あ、あぁ……、でしたら早急に手配します! なんでも言って下さい、何でもするんだ!」「そうです、わたし達で良ければなんでも」「あのォ……? すいません? それって本当に転生ですか、それとも転移でしょうかぁ?」
「いや、えと――?」
「あの、悪いですけどねぇ、転生か転移かは大事だな~って。だって設定を理解する必要がありますのでぇ」
「せ、設定、とは?」「い、いや、そんな……っ今はそんな事じゃないんですよっ、柳田先生、今はそんな場合じゃないんです! 現実を見た方が良いんだ、あんなアニメじゃないんですよ、何をそんな馬鹿な事を――ッ」
ア、アァすいませんねぇ、愛想笑いしてなんとかしようとする女教師。そのアカラサマにうだつが上がらない男に。
「あぁいや――。でも今のはしっかりお願いしますよ。だってそこは簡単にしちゃマズイでしょ」「そうですよね……、そうだよな? 確かそうでしたよね、聞きましたよ、その知識の差は」
その言葉に他のがうなずくから。また愛想笑いし、その聖職者へ。するとどうやら異世界転生と転移の違いが分かってない事が判明「マズいかもしれませんね……」
はっきりと転生と言った。大問題だと大汗を流したが。




