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そうして貴族とその教師が握った鍾乳洞の最奥部分、少しだけ光る先っぽをへし折り、捧げて。血が滴るのを綺麗に拭ったんだ、その手だけは。
ならばでは……このレリックをあなたへ。
「これは助けてくれる物であるだろう、それは王たる力をして万物を開けるようになるだろう。世界は問うだろうが応えなくて良いぞ……、ソレがもし応えたならば脳に刻んではならないのだ。かの声は万物を貫く聖魔の言葉よ、それは貴く、美し過ぎる言葉だった……。魔の理で唯一を月へと返してしまったけ」
続く呪文の後、その握った鍾乳洞が少しだけヒビが入った。そこから変質し、形が変わっていく、月の光に浸した分だけ淡い輝きが輝くから。まるで誰かの耳のようなソレは。
それを彼の頬へとあてがうのだ、そのマブタは閉じられている、だが不意に開き糸を引くような「でも、だ、この森の奥にはもっとスゴイのがいるのだろうな? さすがにソレを得たいよなぁ、話が通じると言うし、この程度では先代めに引けを取るのだからな」
「森を侮ってはなりませぬと―――。それならば相当な騎士団を用いて行かねばならぬでしょう、全軍を率いて、そうして王やギルドの了解を得ねばとてもとてもっ……」
その言葉に非常に不服そうな様子で笑い濡れながら「だがそれならば森の全てを焼いて引き出せば良いのではないのかぁ……? 奴らも丸裸になれば狩りやすいだろうにぃ」
「愚かな……なんと愚かかっ……。この神聖な場所にそんな事をすれば、どうなっても知りませんぞっ、必ずや文明喰らいに目をつけられる!?」
なぁに言ってんだよぉ、それを焼いて殺す必要があるんだろうに――。
きっと綺麗になるのに、私は綺麗好きだ。そうしてその月が望む者を捧げるのだ。脳に焼き付く力が来た、血が……流れていく、夢が流れる。
貴族はもっともっと強く、そうして気高くある必要があるんだ……。私なら更に奥にあるレリックを行くべき。
それは恐らく本気だろうが……正気とは思えないのですよ。この盛大なる即位の儀式もなかなかに金がかかって1地方貴族が、しかもバロンが行うべき事ではないのだ。アナタはこの土地ならもっともっと上の位があるべしと信じていますね? だがしかし、その心こそがこの土地の。
光る……、光りが。
そうしてそのレリックを手に入れ、納得のいかぬ顔でもそのまま鍾乳洞をさらに奥へと入って行くのだが。
ただ全然何もないんだよ「ちっ……外れか」「ですがしかし、イヤな雰囲気がしますな」
それらはカードを掲げ、光り輝くは「じゃあいっちょ若いのに見せてやるかァ! 行けよ【オヴィンニク】ぅ!」
そうして召喚されたのは初めての真理3の強敵、大きな大きな炎の如し猫だ。火を巻いてそれは人間のような骨格で立って、スジのような目と炎が輝き夜を切り裂く。赤と黄色がたぎってキバは鋭くて静かに燃えたぎる殺意。
その驚いた表示は4/9俊敏と出ていたんだ、単体であのクイーンを遥かに超えた力であり。
「ふひひ! 一気に消え失せろや、俺の相棒で轢き殺してやるよォ!」手札4枚、真理0。
「じゃあ俺の方は1コストで【リン】を、そして【スライム】を召喚だ!」手札2枚、マナ0へ。
召喚した合計2コストでは少し遠い相手だが、そのまま突っ込んでく、異変を察知したがもう真理はマナは――「おぃちょっと待て……お前なんだ、なんなんだっ――」
慌てる。何せヤツは召喚師ゾーンから出てしまっているから、嫌な予感。そのまま手駒がスライムとリンに惑わされてるんだよ、阻止せよと命令するが。その【オヴィンニク】が掴もうとするものの、それは指を切り取られるんだ、なんでだ。そのシールドをも簡単に破ってしまい。
変な格好の、ヤツのその剣が
ザン――「わ、分かった……分かったよっ、そうかよ……、誰がこんな程度で命かけるかよォっ……」
転がったデッキ、その時一枚ドロー。
うなずく。その黒翼には誰もが驚いている、そうしてそのプレイスタイルにも。
「あぁアイツ……、そうか召喚騎士か、どうりで――」「でもあの若さでかよ……」
その言葉でうなずく俺は。ヒドイ勝負だったがむしろ良かった、妙な殺し合いにならなくてな。
なんとなく気づいてたよ、ほぼ全員が守りに徹する装備を整えているからだ。ほとんどが盾と鎧だけでリーダー格だけが大きいの召喚して暴れ回らせてて、その後ろで袋にしてたんだよ。
汗だくで命拾いした男は、うなずいて、そうして賭けたその3兄妹のネコを受け取れば……。




