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「俺と奴とは300mほどか……、じゃあ俺はコスト1:【アルミラージ】召喚。1/2 俊敏!」カラスの羽がカードを突き刺し召喚、手札3のマナ1へ。召喚陣と共にひょこっと現れる毛玉。
かなり早くてありがたいんだ、こいつなら先手を取りやすいし出方を伺えるな。駆けてく一角ウサギは小回りの利いて一歩一歩が跳躍のような、地面が隆起するような低姿勢。
すると、逃げる相手はチャントタイム1を宣言したんだな。そうしてそうでありながらも。
「ではね、フォッグボールを」「魔法か――やはり遠距離型だ」
カードを使わずに呪文を唱えウサギを穿とうとする気配。こういう使い方もありなのかよ、チャントタイムっていうのは、同時使いが可能。
その紫の霧のような一撃が、外れた、俊敏が効いてる。他の魔法も来るが、ただ大きく外回りを迫られるんだ。そこへ【冬虫夏草】0/1が割って入った、時間稼ぎだろう。直ぐになんとかするだろうが。
ただ問題はチャントが完成するごとにカードが見えてきててだぞ、走って近づく俺らに見えて来たのは。
「すぐに逃げろ、お前らァ!?」
「ではね、ヘックス。1+X真理【毒沼】チャントタイム1:毒の沼地を現出させる。そうして私は全ての真理を使用するわ、これで4つ分の幸せが膨らむ――」手札3枚、真理0。
それは一気に広がる毒のほとばしりで「わわわ!? こいつはまずいぞ、範囲見えてるけど、これはぁあ」
毒の波が見えて。大体1つの真理で25mくらいを追加って事かよ。
音を立てて25メートルを、半径にして12,5メートルを崩落させ毒にしたんだ。しかしまだ増えるまだ増える、真理追加分だけ増える。
結果として4真理で半径50m、直系にしては100mもの虫食いの如し毒沼フィールドが形成された。
一気に臭いが……、そうしてそのウサギが「ふふふ、いらっしゃ~い」
両者一枚ドローし。エウリュノモスがゆっくりと逃げている、オレの命令を懸命に実行するウサギだが、しかしそれだけで溶けて行き。
冬虫夏草とアルミラージ、虫はもうドロドロ、兎も追えば追うほどに泡立ち黄色の毛並みにも紫の粒が湧いて、ぶよぉォ……と皮がへばる、足が、体が。沸騰するようブツブツ増えて腐敗して、そうしてニクが見え始めてる。
「【冬虫夏草】は死んだら【冬虫】【夏草】に別れてね、互いに0/1となるわよ~」
骨を残し、腹から虫が湧いて。それも駄目だぞ苦しんでる。そうして邪魔をされてる間にウサギが沼地に沈んだんだ、ばしゃん!と首を沼に突っ込み、ひくひくヒクヒクとそのまま肉がどろ……と「じゅじじ――美味しい。じじゅじゅ――」その死んだのを更に溶かしてすすっているんだよな、人型の、一目散に飛びついてて。
ヤツは確かにハエらしい。こちらを見ながら四つん這いになってる姿は正に地獄の住人か、その人型が持つ緑の複眼が俺らを複数、無数に映してる。
「えーっとだ……、この毒の沼地に入ったら、まずいからな」「えぇ、1ターンで1ダメージ、私はカウント2と出てますね」「装備無効かよー、マジかーーっ」
全員に開示されているな、かなり面倒だなという印象だ。そうして「あぁ……、美味しかった……。【毒沼】、その効果、この場で死んだ場合はそのカードを【死体トークン】として良い、沼地の能力で死体が残る」
それは【アルミラージ】だけでなく【冬虫夏草】、ましてや【冬虫】【夏草】2体も含まれててだ。自らのユニットまで毒であぶり殺したのを指を撫でて、微笑んでむしゃぶっていて。
「ぐじじジ、我が能力発動、冥界の風:死体トークンを1/1ユニットとするわ」――それらの死体が立ち上がる、一気に4体もが。
「あぁ、うん。能力はまぁそう、そうか……毒沼なんだな、オレのカードよりも優秀な。俺のには骨トークンの記述はない、あのクモ爺さんの言う通りだ、使い続ける事でカスタマイズ可能なんだよな」
この心象風景は自分専用であり戦略は無数。共通の基礎自体は変わらないが、だがそのチャントタイムを減らすだとかで少しずつ効果が変わり続けるらしい。相当使い込んでいるんだろうよ、言われた限りでは100試行程度は優に必要であり、相性も存在するとの事。
「それで、目の前には広い広い毒沼で……、普通じゃ歩けない。じゃあ、俺がやるのは1コスト【スライム】1/3を」手札3・マナ0。
「ほぉお、聞いていましたが、本当なのねぇ……」その複眼が生々しく動いた、目を見張る、その六芒星が落ちる姿へと。
その綺麗な白の髪が液体になって一つになって吸いつき、あまりにも吸いつきそうな太ももがパユっと「【スライム】:Garden Of The Mare。行け、加島! 恐らくだがスライムならいけるっ」
直感だが防御力も高いし射程も長いし。うなずき彼女は沼地へと踏み出したんだが「あぁ……、はい、ほとんどダメージ無いかもです、これなら行けますね!」
「ふふふ、誰もを拒むと言ってるのになんと小賢しいの――」
ずぶずぶと毒沼へと進み出す少女は、確かにスライム娘ならこのまま行けそうでちょっと浮いてるような感じの歩み。その広大な毒を渡って行くが、しかし、速度が違ってるんだ。
「あぁ、ふふ、でも遅い遅い~」
半分トロけた者達へ命を下し、そこへ取り巻き達がやってくる、どろっと溶けたアルミラージと毒を吸って1周り大きくなった虫3体が青白い。それへ対し彼女はスライムの柔軟さを以てしての、よたよたゾンビが近づく前にゴム斬りを「倒しても、これ、再生します――」「地獄の風は止まないわよー」
0真理での能力か。それほど難しい相手ではないはずだが1ターンに一度、しかも4匹もいると話は別になってくるな。戦ってはいるものの。
「では、呪文、毒の逆さ矢をね、行こうかしら」詠唱が響くんだ、魔法だ。ヤツ本来の力での攻撃が来るんだよ、その攻撃が飛んできて加島がひるむ。毒の上でも動けるがさすがに鈍いし。
――両者1枚ドロー。
「なぁ勇、こうなったら俺らも回りこもうぜ、それでヤツが端に行った時にさぁ、迎え討とうぜ」
見ててその言葉にうなずくんだ、なんとか最短部分で戦いに持ちこめれば勝負になるはず。戦いが続いてる、押して押されて。
「くそ、見てるだけかよ」
石を投げる程度しか思い浮かばないし、ただきちんと奴はコッチへ「ヘックス・0真理【炎の雨】1ダメージ、相手の手札が2枚以上なら更に敵を指定して1ダメージ」手札4枚、真理1。
大量の花火が降ってくるような様相、俺は舌打ちしそれを甘んじて、そこへ「まだよ、【地獄に降る春の日】起動。これは互いのプレイヤーが対象、確率2分の1でヘックスを複製、同様の行動を繰り返す、もし真理が払えない場合はその数だけダメージよ」
「ウソ、だろう!?」
昭和テレビから火葬されてるような死体の絵が、虫が湧いて湧いて。エウリュノモスが手札にもう一度コピーが来る、同時にまたあの雨が来た!
「次は加島へかよ、くそ、だったらば【お守り程度の幸せ】!」
「いいえ、勇さんはカードを大事に、無理に使わないで良いので!」
少しの傷ならばなんとかなるでしょうと、今は相手へと近寄る必要があるから。
「この速さでは私……、ずぼりとハマる、く、沼が深くて。恐らく時間がかかりますから」
しかも火の粉が降りかかって、それと同時、大量に魔法の弾丸を足元へ打って来ますからね。あと仲間を巻き込んでも気にもしない、それが――無限再生に近いからなのか、沼地の上だと死体トークンになってしまうから。コンボです。
「ふふふ、スライムは友達ですからねぇ、転がしてあげるのは可愛いのよぉ~」
「ふぅ……、ふぅ……、これはキツイ――」
相手は正にハエ、確かにそんな気分ですね。届かないところへ逃げるのを追いかけてる、あと何かすごく嫌な感じで。
「相手は2/2、ではこちらもここで見せましょう、魔を切り裂いて。あぁぁァア、ユキネ、一閃!」
シンとなる冬の雪のような。その一撃はかなり強くて、十分とも言える。
魔防グレイスと共にヘックスを裂いて見せてて。
「そう、おかしいわよ、アレは何かがでも強いと」
シークレット能力があるな。この娘の方だわ、真理をこらし浮かび上がって来たのは――。
「あぁ……、やはり見た目以上に強いのね……、でも能力は読めない? 分かっていても全文開示は不可、か。この冥界の住民相手に一体どういう」
このキャラが使えたなら 切れ 時点で攻撃力+1? 必要な分は読めるけれど。
「加島はもう4/6か。十分なレベルになり始めた」
かなり頼もしいと言えるな。必殺でダメージは抑えたが、ただ遠距離型との戦いだなんてのは「ではでは、次のヘックス――」
「クソ、大体の魔法が強いんだが」「まずは0真理:【ファイアアロー】1ダメージの火を打って、命中したら2とする【延焼】」「はい、次のこちらは? ヘックスの【ショック】ダメージ2よ」
色とりどり魔法とヘックスを折り混ぜて一人で十分な遠距離火力を演出して来るんだよ。
ヤツは浅瀬で困る人間どもを狙い撃ちだ。
こんな難しいのかよって、俺は加島に甘えて自分へ【お守り程度の幸せ】を付与。それでずっとずっと毒沼の沿革を回転させられるんだ、エウゥリュノモスはニンゲンを連れてお散歩とばかりに、お供を遊ばせて気まぐれな。
――両者1枚ドロー。1マナ回復。ヘックス。
――両者1枚ドロー。ヘックス。
毒沼での攻防戦。
「加島の言う通りにして良かったぜ、カードはやっぱそもそも本体狙いが基本だからな」
ひたすら撃って来る、魔法とヘックスだ、呪文カードの正式名称、だから「こっちもヘックス【ショック】だ、打ち消す。あとは【スライム】召喚!」
戦わせるというよりこっちはもう防御壁としてモンスターを使うしかなく。
幾度かのドローと真理回復を凌ぐだけで。俺にも【地獄に降る春の日】の能力が来るが如何せん相手の方がヘックスが多いので押し負けてるし。
毒沼を挟んで涼しい顔でヘックスだけをばら撒いてくるのを俺らは、あと問題なのは「これ、使う必要もないかもしれないわね、【地獄に降る春の日】2行目。このクリエイションが破壊された場合やマスターの意志により、2点のダメージを与えてよい。またこれが複製を10度行っていた場合+1ダメージする」
だから早く来た方がお得よ……? ふふふ。毒沼に囲まれテレビに座って笑う、結構怖いんだよ、これが。さっきからターンを消費し続けるだけで、行けない、ただ俺はだからこそだ、少しでも威嚇をと毒沼へと足「ぐぎ――!?」「おぃ、どうした勇!?」
「ほぉ? では大きいのを行きましょう、ヘックス、真理1【ライトニング・ボルト】ダメージ4!」
デカい――「く、くそ、だったら【ライトニング・ボルト】ダメージ3!」
痛む腕を抑えながらもヘックスを相打ちさせるが、余波が来る。そうして追撃の呪文を既に走らされてて「ちぃい――!?」この魔法は避けた、結構難しくはないんだが、でも無詠唱のインパクトで次の詠唱が消えやすいんだよ。
「あらあら良い動き、上手く紛れさせているのにねぇ――」
そうだよ、カードとして使われた物だけは面倒になるだよな、択だ、なんせほぼほぼ当たるんだ。このザ・カードの外では違うようだがココではそう。
「ヘックス――カード呪文、それはもし俺が避けて、例え避け続けても、無理だと判断したら他のターゲットを追う事が多い。だから避けてしまえば他が危ない」
爺さんの言葉を思い出すよ、結構辛辣なカードルールだったと。
ある意味ニクの盾や身代わりなんかが簡単にチョイスに入る、そんな肉弾カードバトルだし、そうしてカードという呪いのような必中の。
「THE カード。その唯一という意味は伊達じゃない」その絶対的な数字で示された攻撃力は恐怖でしかないよな、迫りくるカードという名の本気の引導。
ただ完全なる避け様はあるなって。
全員が一撃も受けずに回避し続けてカードエンドまで持って行けばいい。
そんな事が可能なのかはしらないが。
「アナタでもどうやらそれ、もっと重症のようね……。ふふふ、この距離だとさすがに無理でしょう……、数字にはない痛みってねぇ、結構怖いのよー? それで魔法戦をしたければ良いのだけれど、貴方にその能力があるかしら――」
両者ドロー。
にやりと「0真理:【単純な思考だけの成果】この次に使われる、ダメージ表記がある呪文を1度だけ+2する」
これは、嫌な予感がした。
さっきからのヘックスの応酬で手札とマナが離され始めてて、この状態ではこいつを受けきれないのではないのか。今の手札2枚で真理0ではこれが「あら、もう一度みたいね」
+4、だと? いいえ? このカードは重複時にはボーナスで+1よ。カスタマイズ。
笑った。




