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「よし――、俺も良い感じになってきたな」
頭輝く、いや、笑顔輝く。結構かなり良い感じで倒せてるんだよ、むしろ辛いのは「実戦は本当に激しいですが……、えぇ、修行、ですよね――」はぁ……、はぁ……。
少女が血を振って。
和樹が既にスライム娘とそう変わりないくらいの力を見せ始めてたんだよな。スライムが献身的に守るし攻撃する、まるで4本腕だ。素人とはいえ4本の腕があったら強いわ。
実質2/7。
ただでも加島はこれで良い。
さっきのがどれくらいの戦力だったかを話しながら歩いてき。
1真理【ナスナス】3/0
半分になった顔とカラダ、片側しかもたない足と腕、ざっくりと人間を真っ二つにした化け物でジャーンという最下級悪魔。アンデッドに近いだろうが、歩いてたら向こうからカラダ半分が飛び跳ねながらやってくるのは怪奇としか言いようがないよ。
うなずく、道を曲がったんだ。首をかしげてて俺はもう一枚の心象を見やるんだ。
1真理【ワルハーン】1/1
儀式や礼拝の途中できちんと手順通り水はつけたか、水が足りないのではないの等というワスワス(心へ入り込んで不安をあおる能力)を使うジャーンだ。
能力が見えるな、うっすらと。
でもただ。
「なんかさ~、さっきから同じ場所をうろうろしてないかぁ?」
なんというか、変だな、変だ。それは木々が少しずつだが葉を成してって空を隠し、薄暗くなってる事でも分かるんだよ。どうやら何かあるらしいな。
すると向こうから突然やってくる人間のような――。
「我はエウリュノモス、冥界の眷属なり」
剣を直ぐに構える。
それはハエ頭を持っており、そうして下は女体らしき何かをもってる姿。ただ、小さめとは言え女のカラダを持ちながらも髪の全面積にあたるに複眼を見るのは怖いがな。
ぷつぷつ敷き詰められた瞳。起毛した無数の毛もあって。しかし和樹さんが勇気を出し、なんとかやれるなって顔でその眼を見開いているんだが。確かに薄い羽衣だけのようなので。
頑張る気かな?
「ザ・カードをしようか、階層なき旅人よ?」
「あぁ、でも俺は何も持ってないぞ、お前が欲しがりそうな物は」「では、だ。そこにある脳をおくれよ、ぢうぢう吸わせて」
薄暗い森の中で白い羽衣だけの女がふらぁ……と歩き出そうとするから「ば、馬鹿な、カードで確実に死ぬって事かよ!?」「いいえ……? 私は腐った物のみを食うんだ、だから本当の脳は全くの無事だよ、じじじジ」
ハエ女が笑う。
その突き出た2本の牙は顎にも届きそうでなんとも不気味で、冥界の眷属と言ってたし。肌はところどころなんと言うか薬物を注射しすぎた様に紫のただれがあって、それが7割もを埋めてるし。それをもし俺が飲んだら?と問えば。
「あぁ、じゃあ、こちらは腐食の匂いを抑えて、結構な病気に効くはずの薬を提供しようじゃないの、ぐじじジ」
口にツバ一杯でぐじゃぐじゃ笑ってるのか、それとも触角を鳴らしてるのか。
その曖昧で計りかねる言葉に眉根を上げるが、ただ、一応賭けの判定があってだ。問題ないというカードの導きブルー。しかし、個人間の問題なので実際は0―100でも問題はないらしいともいうがな。
ただカードを掲げるが、何気にもう和樹が1/4であり防具入れて1/5まであったんだよ。では、良いだろう、気配は悪くないし真理回復も得られるし、それでカードをセットしたら。
「手札4の真理4。2コスト2/2か――」
エウリュノモス、その貧弱さに眉根を上げる、いや――、まぁこう言ってはなんだが加島も同じなんだがそれでもなって。
その特殊能力欄をしっかりと読まねばならないが、ただ始まりはすぐであり。
「そうして私の眷属は真理2:【地獄に降る春の日】。そうして1真理:モンスター【冬虫夏草】を」
まずは古い昭和のテレビのような、0/7とあるんだ、クリエイションだっけか、言うなればアーティファクト系か。恐らくだが特殊能力を求めるだけの箱が落ちて来るし、そうしてユニットは虫。
「0/1、なんなんだこいつらは。それとあと何気に遠距離型だ」――歩いてくんだよ、その端まで。フィールドは結構広大に取られてて、最初だけその半分を持ち、相手の持ち分へは行けなくなってる仕様だ。その女は背を向けながら決闘の言葉を残してて。
剣の業、杯の業。我らが辿るは一つの螺旋の、無の世界。しかしてその手には無限を―――。理は変わるか定めは変えられるか。此方へ導け彼方へ導け、たゆたう悪魔よ、動かぬ理よ。
「だ、だったら俺らは近づこうか、少しでもな」
うなずく2人が、急いで200メートル先のそのエウリュノモスを捉えてて。
俺の背には羽骨が見え始める、不可視の黒の羽が見えて思念が飛び出した。
そうして俺らが追って追って、振り返った奴のそれは白骨だった、血と肉も少ないホネの概念としての魂。白骨にはまばらに残された毛や指先、とろけた胃腸。2メートルと大きなムクロ1体が見えて。
寂しい、だがしかし、だからこそ何かの価値があるような美の姿。
互いにカードを持ちて黒の羽根が舞って相手の冥界の空気がうねりを上げ迎え撃つ。
「尋常に」『2帝、会戦。デュエル――、Open Your Brains Edge!』




