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「あともう一枚も来たぞ、【ミルメコレオ】がカードか。赤・真理1の3/1、攻撃力特化だな」
イカツイ顔の、こいつの頭はライオンだがアリの胴体を持つというアンバランスなモンスターだ。しかも確か哀しい生き物で肉食のライオンは肉を食おうとし、しかし草食である――当時はそう思われていたアリは草しか食べないので消化せずに直ぐ飢えて死ぬ。属にいうところの二律背反は良くないっていう説法でありモンスターだ。
ふ~~……、なんとか倒せたな。
「少しずつ使えそうなのが増えて来てるな、カードは良いな。そう言えばだが、Garden Of The Mare、これって他の奴にも使えるのかね?」
ふと思ってた事を口にしたんだよ、この絵……なんとなくだけれど。
「おぃヤメろ、殺すぞッ!?」大声で叫んだから和樹が、空気が止まって俺はすぐにとめ「ハゲたらぶっ殺すぞ――」
「ごめん、 ごめん」ごめんな。
加島は笑っているが、頭を振ってる、相当嫌だったんだろうな。和樹はしないようにしないとだ、決して。
「よっしぃ~、じゃあ昼の3筋目が見えた。ひとまずこの心象風景持って、カード具現化してもらいに行くかー」あとこの荷物もなー、「おっしぃ、じゃあ爺さんにどれ持ってくぅ?」
重い肉を背負って毎日仕事なのだが、まだまだ知るべき時期で面白い。
「あぁ……、こうだろうか? クモの爺さん、こうやれば良いのか」「そうじゃナぁ……、しっかりと覚えろナ~」
召喚技術ってのは多岐にわたるから、ただ老齢でかなり疲れているのが分かるがな。
「大丈夫だナ、ふぅ~……。それよりも早くカードを充実させろよ」
気にせず乾坤一擲、カードだけに文字通りの心血を注ぐ姿は。かなり見て覚えるべきことがあるんだよ。
「心象風景の管理、数字変化や特殊能力への回帰。そうして進化の兆候。数多あるカードを管理など普通は無理じゃ、ほとんどは使用人やらがやるが……はぁ……はぁ……、お前は無理だろうナぁ……」
「いや、カード管理は結構好きだぜ。なんせものすごい量のカードあるのやってたからな」
まぁでも実際は肉体労働だよな。貴族の流儀を1から全て一人でこなさねばならない、しかも魔力の概念すらおぼつかない俺には見て覚えるがなくて、だからしっかり教えてくれていて。
汗を拭いて打ち込み「あのさ……、カードで思ったんだが」「うむぅ、なんぞやナ?」
「恐らくだがこのモンスターってのは、見た限りでは1コストで5.5を目安にすべきだと思ったんだ」
俺を見やるその爺さんの。
カード戦力値だ。
「これって攻撃力の方がチカラの純度が高いっぽいな、多分、恐らく1,5倍くらいだろうなって感じで見ててさ。こうなると例えば1/4が限界値だと分かるし、2コストなら1/9、それか3/6でも同じ純度の限界値だ。それであんたの見立てが聞きたい、2コストならどっち勝つ?」
「あぁ……、うむ2コスト真理2。恐らく3/6じゃろうが、最後は己自身じゃろうナぁ。しかし、そうか、ほぉぉ……もうそこまで見抜いたかナ、これはスゴイ事だぞナぁ」
「いや、まぁ大体がそういうルールだからな、カードって」
分かるかもだが俺はクイーンを参考にしてる。多分そうだ。この先コスト3へ到達したらどうなるかは分からんが相手の悪夢度を見るには良いと思う。
その俺にただ満足したように笑って爺さんはカードをくれるんだよ。
「お前はかなりのスジがあるナ……、精進せいよ。もっともっと先へ進め、きっと助けとなるだろう」
紫の0真理【縫うかどうか迷うわ】指定した対象を防御力-1する。
「おぉぉ……、強いな。強い。ありがとうよ、色々とさぁ」「どうだ使うか?」「いいや、【ショック】を使うな」「何故だ」
「あぁ、このゲーム、ザ・カードには防御力0がある、って事はだ、一文が必要になるはずだ。【このカード効果で0になった場合、相手を破壊する】。こいつまで育てるのに1ステップ踏むから時間が惜しい」
そういう意味では色んな見方が可能なカードだと思うな、この言い分なら【クー・シー】は1/1奇襲、チカラの純度はかなり弱いが実際に突然、真横に召喚されるのは驚くだろうし計りしれない。【ミルメコレオ】は3/1で純度は高いが見敵しやすくショック一発で消せてしまう。
あともしくは1/2俊敏とかな。常時能力がまだどういう扱いかは分からんが、そこからが難しいんだよな。この爺さんから学ぶべきは多いと思う。
カードは結構どころか沼のようでいて、魂を感じるんだ何よりも。
ふむぅ……。一際息を吐いてそのカードを完成させた。それで。
「そうかそうかぁ、次はこっちかナ……。でもまぁ正直そこまで苦労してたとは思わんかった、早く言えばよかったのにナぁ」フフフ。
今はこの空いてる召喚札に殺した魔物を封じ込められないかという、そんな申し出で爺さんを狩り出してみたり。
まぁ大きさ的に1匹くらいが限界らしいが、ソレで良い、重い籠を落として。大物は非常に重かったのでありがたい。
お、入った入ったー!?「でもこれさぁ、クモっち爺さんよ、食べれるんかいな? 入れたらおかしくなったりしないん?」
「あぁ、大丈夫だナ、この空間は何てことない袋のようなもんだからナ。ただ……かなり高価じゃし多くは使えんよ、あと生きてるのはやめとけよ。中はなーんもないから死んでしまうぞナ」
多分空気という感じだろうか、真空状態なのだろう。気が狂うとも言われたので音もないのかもしれないな。
試してみたが、まぁ成果はあるか。カゴいっぱいのあの重みは少し軽減できたし何気に魔石だけでも入れれる。駆け引きにも使えるか。
それに「おぉぉ!? 俺っちもこれならやれるわ~、また新しいスキル来たなぁー」フフフぅっ。
とりあえずだから和樹も爺さんに召喚も見てもらったり、アイツらの剣を見ながら俺も稽古もして。
そしてまた、やっぱりその頭には水色が乗るから。
「お前……、和樹、まだスライム帽子諦めてなかったのか?」
なんか銀紙の小舟を頭頂に浮かべ、そのまま刺身船にでもなるのかと思うような姿で出発。液体を乗せて戦う少年は。
「だって戦力になるんだぜぇ? それに親睦を深めようとも思っててさっ。一応了承は取ってあんだよ、なぁーお前ぇ?」そう言ってスライムと握手。
召喚するなら魔石で1500円分もかかるのでコレは校庭で暇そうにのさばっていたのを連れてくらしい。
一連托生にするからというので仕方ないなと、スライムさんもまんざらではないみたいだし。頭も大丈夫そうだしな。
「よーーし、よし、スラ太郎、元気にしてたかー? 結構放っておいたが……」ふぅむ。
あれから数日、まぁ持ち主なので変な物食べてないか見る必要があるし毎日来てる。そして……、その茶色の繊維を少々払うんだ。




